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ENCOUNTER 15

 

 

「キラには作戦の決行日が今日である事を教えなくてもいいのですか?」

「キラに教えたとしても傷付かせるだけです。どうせこの後も暫く苦しむのは分かってます」

「それでも貴方はキラに提案したのですね」

「この状況がもっと長引けばその分キラの苦しみも増える。…何よりおれ自身、もうアイツとは戦場でなんて会いたくないんですよ」

アスランは口元を少しだけ歪ませてラクスを見る。

ラクスは小さく笑みを返すだけだった。

 

 

計画までの時刻は着実に進んでいく。

 

 

 

そしてニコルとの通信から4日後。

アスランは自室でパソコンのキーと格闘していた。

ちなみにパソコンはラクスが持ってきた。

彼女曰く「貸して欲しいと言いましたら貸してくださいました」とニッコリと邪気の無い笑顔で言われたが、理由は何となく聞かないで置くことにした。

現在、アスランはAAのメインコンピューターにハッキングして例えMSが近くにいてもレーダーに反応しない様操作する。

「ニコルの反応はいいとして、イザークとディアッカのは距離3000辺りで足つきに発覚した方が無難だな…そうすればニコルも特に気付かれはしないだろうし」

アスランはキーを打ちながら今後の作戦の状況をより成功に近づけさせる為考える。

そして最後にキーを一度押すとアスランはパソコンから顔を上げる。

「これで足つきは落ちる」

アスランは通信、レーダー、管制情報などが全て表示されているディスプレイを見て笑みを浮かべるのだった。

 

 

 

AA艦内に警報が戦闘事態の鳴り響く。

 

「敵影3、5時方向、距離3000。熱源パターン…これは、X102デュエル、X103バスター」

「同方向に熱源接近!数2」

CICから告げられる内容に、ブリッジクルー全員に一瞬にして緊張が走る。

「回避!面舵いっぱい!…まったく相変わらずしつこいわね…」

マリューが眉間にきつく皺を寄せる。

「艦尾ミサイル発射管、ウォンバット装填!アンチビーム爆雷用意、バリアント、イーゲルシュテイン起動」

ナタルがCICで指示を出し、戦闘態勢を整える。

「こっちは、いつでも準備OKだぜ!状況はどうなっている?」

メビウスの中にいるフラガから通信が入りモニターに現れる。

「奪還されたG3機、デュエル、バスター2機が向かっています。恐らくナスカ級とローラシア級もいると思うわ…」

マリューの言葉にフラガがふと疑問に気付く。

「イージスとブリッツはどうした!?まさか…っ、オイ、今すぐAAのミサイル全部艦の周囲に打ち込め!」

フラガが何かに気付き、焦った顔でマリューに告げる。

「残り2機はどうしたのかしら」

マリューもいつも必ず出てくるイージスとブリッツがいない理由に気付き急いで攻撃をしかける為指示を出す。

そしてその事を聞いていたクルー達は急いで攻撃準備に取り掛かろうとした途端、クルーの叫び声が聞こえる。

「艦長っ!目前に熱源っ…X207ブリッツ!」

「なっっ!!」

CICからトールの叫び声の様な報告と同時に、マリューの目の前にはいつの間にか、黒い機体がブッリの前の前でトリケロスをAAに向け攻撃態勢を取っていた。

まさかの事態に、クルーは呆然と目の前のブリッツを見つめる。

「艦長…ブリッツから通信が入っています」

ダリダの声にマリューはハッとし、自分がここでしっかりしなければと強く自分自身に言い聞かす。

「繋げて頂戴」

少しばかり震えた声でダリダに伝える。

「こちら、X207ブリッツ。AAに投降を要求します」

若草色の髪に緑の瞳の少年を通信機越しに見て、クルー達は驚く。

まさかGのパイロットが少年とは思っても見なかったので、皆初めて声を聞きただ驚くだけだった。

マリューも少年がGで戦闘をしていた事に驚愕を隠せない。だが、自分達もストライクをあの少年に任せている事に気付き、何とも言えない気持ちになる。

「再度通告です。投降を要求します」

柔らかい声だが、ハッキリとした口調で再度通告され、マリューは両手を握り締めると、小さく溜息を吐く。

AAの中にはヘリオポリスの民間人もいる。それに…人道的立場で保護したコーディネイター2人も。

選択肢など無いにも等しい状態だったのでマリューには迷う事は無かった。

「投降信号を」

マリューが告げると、AAから投降信号が投げられた。

 

 

 

AAがザフトに投降した事と乗員全員が格納庫に集まるように艦内放送で流される。

民間人達皆、不安、恐怖、怯えなど様々な表情で格納庫に集まると、既にその場には地球軍の軍人全員とザフトの軍人達が何人かその場にいた。

そしてザフトのシャトルも置いてあった。

「民間人である貴方がたはザフト軍より正式な手順を取ってオーブへと無事送り届けられますので、安心してください」

その言葉を聞き、市民達は安堵の表情を浮かべる。只、一人の少女だけは違っていた。

「ヘリオポリスの民間人の皆さんはこちらに来てください。これから貴方がたにはシャトルに乗り、一旦、ガモフに乗船して頂きます」

場に不釣合いな程の穏やかな少年の声が室内に響く。

そこには、先程通信をしてきた若草色のふわふわとした髪の優しそうな紅い軍服を来た少年…ブリッツのパイロットがいた。

そしてその後から、銀髪の蒼い瞳の青年と、金髪で紫の瞳の青年が続いてやってくる。

「早くしろ」

銀髪の青年の鋭い声に皆、慌てて向かう。

その様子に「イザーク、相手は民間人なんですよ」と若草色の髪の少年が言い、金髪の青年は苦笑していた。

 

 

民間人達が大人しく少年の後をついていく。

だが、一人の少女だけが後をついていかない事にマリュー達はすぐに気付く。

「アルスターさん、あなたも民間人なのだから彼等と一緒に…」

マリューはフレイに優しく声をかける。

「…サイや…ミリィやトールやカズイは?」

そこにキラの名前だけを業と外したフレイにマリュー達も気が動転している今では気付かない。

ただ、キラだけが気付き目線を床に合わせる。

「彼等はもう軍人だわ。だから民間人として一緒に行けないの」

「そんなっ!だって、私達はカレッジに通う学生だったのよ!」

マリューの返答にフレイは反論する。

「フレイ、お前はシャトルに行くんだ」

サイがフレイの傍までやってくると、両手をフレイの肩に乗せる。

「サイ…だって…」

「俺達は自分から志願して手伝った。手伝ったからには、もう一般人としてはいられないんだ」

サイは眉根を軽く寄せてフレイに諭すかのように伝える。

「そんなの」

「貴様ら、何をしている!」

言い合う声を聞いて駆けつけた、銀髪の紅い軍服を着た青年が苛立ちを隠しもせず近づいてくる。

「捕虜なら、捕虜らしく大人しくしてろ!」

怒鳴り声とも取れる声でその場を一瞬で静かにさせる。

「いえ…あの、この子は民間人なので…」

サイがおどおどと、だがしっかりとフレイを『民間人』とする為にあえてフレイの名を呼ばない。

「なら、早く向こうへ行け。民間人なら手を煩わせるな」

威圧するかの様な眼光で睨まれフレイは小さくガタガタと震える。

「おい、イザーク、お前あんまり女の子泣かすなよなぁ〜」

突如、イザークという名の青年の後ろから、からかい混じりの声がかけられる。

「ディアッカ、別に俺は泣かせてなど無い」

「お前、素で恐がらせるあたり流石だよな」

ディアッカと呼ばれた青年はイザークを見て苦笑する。

「軍人として甘さはいらん。それが紅を着る者なら尚更だ。俺はニコルの様な腰抜けではない!」

突然言い争い(イザークが一方的に捲くし立てているのだが)にその場にいたサイトマリューは呆然とする。

そして、フレイはAAのクルー達の中にいるキラを見つけるとサイを押しのけてそのままクルー達のいる方へと走る。

「オイ、女っ」

イザークがフレイの行動に気付き、怒鳴る。

だが、フレイは気にもせずそのままキラの前まで行くと、キラの襟元を力一杯引っ張る。

キラは少し足元をよろけさせるが、すぐに体制を取り直した。

「フ…レイ…」

強く握り締められ痛みに微かに眉根をキラは寄せるが、フレイは力を緩めず、顔は怒りを隠そうともせずキラを睨む。

「…何で…何でアンタがココいるのよ」

フレイはキラに向かって憎悪を向ける。

周りはそんなフレイの様子に気圧(けお)され見つめる事しかできない。

「どうしてアンタが生きてるの!何でアンタが生きててこの船がザフトに捕まるのよ!やっぱりあんたはコーディネイターだからザフトと連絡して私達を捕まえさせたのね!」

キラはフレイの言葉と真っ直ぐに向けられる憎しみの感情ににショックを受け、そのまま立ち尽くす。

「何でサイや、ミリィやトール、カズイが一緒にオーブに帰れないのよ!それもこれも全部アンタが元凶なんでしょ!何で皆を巻き込むのよ!私達を守るんでしょ!だったら戦いなさいよ!戦って私達を守ってよっ!!」

フレイは目を吊り上げながらキラを責め立てる。

「おい、嬢ちゃん…」

「それ以上キラを傷つけたら許さない」

見かねたフラガが仲裁に入ろうとしたが、静かな…だが確かに憤りが含まれている声に声を遮られた。

聞きなれた声にAAのクルー達は声の方向を見て、今度は驚愕に目を見開く。

声をかけた人物は、夜空の様な藍色の髪と濁りの無い綺麗な翠の目が印象的な今まで救助者という事で受け入れていたコーディネイターの少年アスラン・ザラだった。

だが、その瞳は絶対零度。眼で人を殺せてしまうかもしれないと思える程の鋭さだった。

そんなアスランの後から、ピンクの髪の同じくコーディネイターの少女…ラクスも現れた。

「キラから離れて下さい」

ラクスはいつも通り場を和ますような笑みを浮かべているが、後からは禍々しいオーラが漂っていた。

 

 

 

 

 

 

 

コメント

やっとここまで来ました。先が長い。そして更新遅すぎ…連載初めて2ヶ月も経過していますね。
終わりが見えそうで見えない上、かなりいい設定が加減な状態に(*_*;
細かい設定とかは軽く流して頂きたいです(汗)特に先頭とか、ハッキングとか私には未知の世界なので(滝汗)





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