AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する

ENCOUNTER 13

 

 

 

「どういう意味よ!」

フレイはアスランを見て憤慨する。

「そのままの意味だ」

アスランはキラを抱く腕に力を更に込める。

「人を傷つける事が嫌いで、穏やかで、優しいキラを戦わせるのが当たり前!?コーディネイターだからMSに乗れるとお前等は本気で思っているのか」

アスランの声はどこまでも淡々としていた。だが瞳は刃物の様に鋭く、周りの者達は皆その瞳に背筋が凍る。

「お前たちはキラの友達なのだろう?自分達の身の安全の為に友達を犠牲にしても構わないのか?それともキラがコーディネイターだから死なないとでも?」

わざと辛辣な言葉をアスランは投げかける。

アスランの言葉に応える者はいない。

「…アスラン、もう…やめて」

水を打ったような静かな食堂で声を出したのはキラだった。

キラはアスランの胸元から顔を上げてふわりと儚いという表現がピッタリな笑みを浮かべる。

「僕は大丈夫だから」

「キラ」

アスランは先程とは打って変わりキラを安心させる様に穏やかに微笑む。

「僕の為にそんなに…怒らないで」

涙で赤くなった目を潤ませながらキラが頼む。

「キラがそういうならそうするよ」

アスランは小さく苦笑しながら、キラの目元に浮かぶ涙を指で拭う。

「相変わらず優しいねアスランは」

「優しくするのはキラ限定です」

アスランの本気交じりの口調にキラは一瞬驚いた後、頬をピンクに染めてクスクスと笑う。

アスランはキラの笑い声を聞いて内心安堵した。

そして自分達の元にゆっくりとやってきたラクスと視線を合わす。

ラクスが小さく頷くのを見てアスランは「キラ」と声をかける。

「そろそろ部屋に帰ろうか。それともお腹すいた?半分しか食事取ってなかったからね」

「部屋に戻るよ。トリィも待ってるから」

キラは首を横に振り部屋へ戻ると告げる。

「じゃぁ行こっか」

アスランはキラの手を引いて食堂を出て行く。

「…みんな…また…ね」

キラが食堂の入り口で振り返り、困惑した顔で友達に声をかける。

「…あ、…あぁ」

「またな…」

「…えぇ…」

キラに言われてトール、サイ、ミリアリアは返事を返す。

フレイは俯いたままキラと視線を合わせる事は無かった。

アスランとキラが食堂から出て行くった後、ラクスもゆっくりとした足取りで食堂の入り口まで歩いていく。

入り口に到着すると、そこで振り返り四人を見てニコリと笑みを浮かべる。

「キラは皆様の側にはとても不似合いですわね」

笑顔を浮かべているラクスに四人はその笑顔にアスランとはまた違った恐怖を感じた。

そしてこの少女もアスラン同様、怒っている事に気付かされる。

「言いたいのはそれだけですわ。それでは失礼します」

ラクスそれだけ言い食堂を出て行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

食堂から出て行った後、キラはアスランに誘われ自室ではなく彼の部屋へと向かった。

ベットの上に隣同士で腰掛けると、暫く互いに無言の状態が続いた。

「ねぇ、キラは本当にココにいて幸せ?」

先に沈黙を破ったのはアスランだった。

「……それは…」

キラは言葉に詰まる。

「プラントに来ないか?一緒にプラントに行こう」

アスランはキラの両肩に手を乗せ真剣な表情で話す。

「でも…僕が戦わないと…みんな死んじゃう」

キラは首を緩く振りアスランの誘いを断る。

「この船には…友達やヘリオポリスの人達も乗っているんだ」

アスランの手を取れなかった一番大きな理由をキラは何度目になるか分からないがアスランに言う。先頭のたびにザフトやプラントに来いと言ってくれるアスランを毎回「友達を守るから行けない」と言って断っていた。

アスランもキラが守りたい者達の為に一生懸命戦っているのは知っている。だが、それだからといってキラをこのまま戦場に身を置かせる事を黙って見ている事はできない。

「キラが友達を守りたいというのは分かっている。さっきも言ったけど、民間人を守るのは本来軍人の役目だ。それを同じ民間人のキラに守らせるのは同考えても間違っている」

アスランは同じ軍人の立場として地球軍が今キラに課せている事が許せない。

「それでも彼等を守れるのは僕とフラガ大尉しかいない…何よりストライクには僕しか乗れないから、だから僕が守らなきゃ」

キラは両手で拳を作るとキツク握り締める。

「僕はプラントには行けない」

ごめんねと弱々しくキラは告げる。

だが、アスランはこんな所では引き下がる気は毛頭無かった。

「ヘリオポリスの人達をオーブに戻せれば、キラがストライクに乗る理由は無くなるんだよね?」

アスランは何処か含んだ笑みを浮かべてキラに問う。

「…そうだね」

「友達も民間人達も全員オーブに帰る事ができれば、キラも足つきから降りる?」

「みんながオーブに行ければ僕も降りるよ」

守る者達が無事オーブに帰れるのなら、もう自分がストライクに乗ってアスランと戦う必要は無いのだ。

それはキラにとってはとても嬉しい事だが、現状では叶わぬ願いであるのも十分に分かっている。

「でも今は無理なんだ」

「別に無理じゃないよ。俺がここにいる民間人達をオーブに帰せば問題は解決する事だからな」

「ア、アスランっ!?」

アスランの言葉にキラは驚愕する。

「民間人達をオーブへ送る事ができるよ。ザフトが関与する事になるけど」

「でもどうやって?」

「どちらかが戦いをせずに負ければ一番早い解決方法だろう。それと、死者を一人も出さずに戦闘を終わらす。勿論、地球軍には降伏を要求する事になるけど」

「そんな事無理だよ」

アスランの説明にキラは最もな事を言う。

今まで戦ってきて毎回決着はつかなかった。それに互いに戦争をしているのに戦いで傷つかないで降伏させるという方法が果たしてあるのだろうか?

キラは自問するが、答えは「NO」である。

「無理じゃない方法を思いついたから大丈夫だよ。協力者もいるから問題ない」

「でも…降伏したらAAのみんなはどうなるの?」

キラは自分達は助かるが、クルーの人達がどうなるのか気になる。

「それも問題ない。降伏してきた人間は殺さないよ。それに暴力も振るわない。これは軍の規則で決まっているんだ」

アスランは端的な説明をし、具体的な事はキラには言わない。キラの事だから裏切りは無いと確信できるが、根っからのお人好しな性格のできっと地球軍のピンチを分かっていて黙ってみているという事はしないだろう。

「そして、この艦の人間達にもかなり良い環境を提供する」

『捕虜としては』という言葉を隠してアスランはキラに『だから問題ない』とキラに話す。

「でもそんな事できるの?」

学生であるキラでもアスランの言う事がかなり難しい事だと思わずにはいられない。

自分の思惑通りになってきているのを感じ、口元に笑みの形を浮かべる。

「協力者がいるから問題ない」

「協力者?」

「そう。だから失敗はしないよ。これが一番良い解決方法だと思うんだ。互いに死者は出ないし、オーブ国民は自分の国に帰れる。何よりこれ以上キラと戦いたく無いんだ…」

アスランは眉根を寄せて切ない目線をキラに送る。

「…僕ももう君と戦いたくない」

キラは考えて、答えを出した。

キラとてこれ以上アスランと殺し合いまがいな事をしたくなかった。また、民間人を国に帰す事もできて、クルー達も殺されないというのであればキラには反対する意見も無かった。

この状況から離れられる解決策もキラには戦うか敵艦に見つからないかの二択しか今まで考えられなかったが三つ目の選択ができ一番平和な解決策にキラには聞こえた。

何より幼い頃から全幅の信頼を寄せているアスランから言われたのが一番大きな所だった。

「…アスランの意見に賛成だよ」

キラはアスランに向かい、きちんと賛成の意を伝えるのだった。

 

 

 

 

 

 

「その様子では始まるのですね」

キラを部屋に送り届け、再び自室に戻ってきたアスランはドアの前にいるラクスを見て小さく頷いた。

「えぇ」

アスランは扉を開けてラクスを部屋の中に入れる。

「キラも同意してくれましたよ」

「それは良かったですわ。キラに反対されてしまったら何の意味もないですもの」

ラクスはニコニコと楽しそうに話す。

アスランもラクスの意見に肯定の形で首を縦に振る。

「ラクス準備の方はどうですか?」

アスランは真剣な顔つきでラクスを見る。

「こちらの準備は大丈夫です。いつでも実行して下さって構いません」

ラクスも笑みを消してアスランに応える。

「それにしても、地球軍は全員貴女が引き取るという形で本当にいいのですか?」

「ふふふ。それには問題ありませんわ。平和の為に彼等には活躍して頂きますので。環境が良ければ見方も変わるでしょう」

「そうですか」

何故かラクスに大丈夫と言われると、根拠も無く大丈夫だと思ってしまう。

実際に彼女が大丈夫と言って駄目だった事が無いのが大きな要因の一つだが、アスランはその事をラクス本人には伝える気は無かった。

「ではアスラン、あとは頼みますね」

「任せて下さい」

ラクスは最後にフワリと笑みを浮かべ部屋から出て行った。

 

 

一人になった自室で、アスランはバックの中にある小型通信機を手に取り、通信の準備をするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント

物凄く悩みました。悩んで、悩んでどうしようもなくなりました。消して打っての繰り返しをしたせいか、文章がもうどうしようもない状態(汗)
次回は新たなキャラ登場。大体の方が予想できているアノ方です(笑)話を作ってるのが自分なので意表な展開は多分ありません!何もかも予想ができます。この話。




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