AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する

ENCOUNTER 11

 

 

 

『トリィ』

 

黄緑色の機械鳥が羽を羽ばたかせながらキラの元に飛んでくる。

「トリィ!」

キラは飛んできたトリィを両手の上に載せる。

小首を傾げて『トリィ』と鳴き、軽く羽を羽ばたかせるトリィは以前の状態に戻っていた。

トリィはキラの手から今度は天井をぐるぐると旋回する。

「アスランありがと!」

キラは机で工具を片付けているアスランの背にお礼を言う。

「そんなに酷い破損でも無かったからね」

振り向き、喜ぶキラを見ながらアスランも満足そうに頷く。

だが、もっと破損が酷ければ手元にある部品だけでは直らなかった。今回はたまたま運が良かったから直す事ができたという事はキラには伝えなかった。

「良かったですわ」

ラクスもキラの喜ぶ顔を見て自分の事の様に喜ぶ。

「これ以上、キラを悲しませる奴は許さない」

アスランは拳を握り締めながら小さく決意する。

「そうですね」

ラクスはトリィと戯れるキラを見つめたままアスランへと声をかける。

 

 

キラを見つめる二人の瞳には強い決意が表れていた。

 

 

 

「もう夕飯の時間だ」

キラは部屋にあった時計を見て驚く。

アスランがAAに来たのは時間が昼頃だったと思い出す。

今は1900を時計は表示しており、キラは二人に食堂へは行ったかを聞くが答えはNOだった。

まぁ、当り前といえば当り前の返答だと思いながらも、かなりの間寝てしまっていた事にキラは少し恥ずかしくなる。

「ごめんね。僕結構寝てたみたいで…ご飯すぐに取って来るから二人共待ってて!」

自分だけなら別に食べなくても全く構わないのだが、アスランとラクスには何も食べさせないなんて事はできない。

キラはトリィと共に食堂に向かう為、部屋から出ると後からアスランも一緒に出てきた。

「アスラン?」

キラは一緒に廊下に出てきたアスランに「どうしたの?」と視線で問う。

「食事、キラ一人で三人分は持って来れないでしょ」

アスランは当然の事とでも言うようにキラと一緒に食堂に行くと言う。

「それに俺は食堂がどこにあるか知らないからな。道を覚える機会には丁度いいだろ?」

絶対に一緒に行くと態度で示すアスランにキラは長年の付き合いから却下しても付いてくると分かりきっていた。

そうなるとキラの選べる選択肢は一つしかない。

「一緒に行こう」

「あぁ」

キラはアスランと共に食堂に向かう。

だけど、アスランと一緒に堂々と出かけられてキラは内心とても嬉しかった。

勿論アスランも同じ気持ちだったのは言わずと知れたことである。

 

 

 

食堂で三人分の食事を持ち(アスランは当然二人分持って)ラクスの部屋へと戻り、時間としては夕飯という形の食事を取る。

暫くは雑談を混じりえながら食事をしていた三人だが、アスランが一つ提案をした。

「なぁ、明日は食堂で食べないか?」

アスランの意見にキラは以前食堂であった出来事を思い出す。また、コーディネイターというだけで酷い事を言われるかもしれないという考えが頭の中を過ぎる。

「狭い場所でもなかったし、それに食堂なら行っても特に問題にはならないだろう?」

アスランの言っている事は問題は無いが、キラにとってアスランが傷つけられてショックを受ける事態が起こるのは避けたい。

キラは助けを求めてラクスを伺う。

「私はキラの意見に従うだけですわ」

そう言われキラは更に困る。

「キラが困る所なら別にここで構わないよ」

アスランは余りにも悩んでいるキラを見て苦笑する。

「別に食堂に行くのが嫌な訳じゃなくて…でも…何で?」

キラはふと、疑問に思った事をアスランに聞く。

「やっぱり室内だと三人で食事を取るにはちょっと狭いかなって思ったから」

「…確かにそうだね」

アスランの意見にキラも言われて納得する。

机の上に食事が置けるのは二人分までは余裕だが、三つ目となると些か狭い。

なので現在キラの正面にいるラクスは机の上にトレイを置いているが隣にいるアスランは自分の膝の上にトレイを置いて食事をしている。

キラはこれからずっと、こんな感じの食事では二人には悪いと思わずにはいられなくなる。

だから、自分が思っている事を二人に素直に話して解決策を出すことに決めた。

自分一人だけの問題ではないので、やはり当事者になってしまう二人にも話しておいた方が良いとキラなりに考えて決意した。

何も知らないよりは少しでも知っていれば傷の深さは違うと思うから…

「あのね………AAは地球軍の戦艦で…ナチュラルが沢山いるんだ」

キラはポツリポツリと話していく。

アスランとラクスはキラの話を最後まで聞くため、食事の手を止め静かに話を聞く。

「今は戦争中で…だけど、コーディネイターだからって差別する人もいない…けど、……やっぱり…コーディネイターが嫌いな人も…いるんだ」

キラは一度大きく深呼吸をする。

「食堂とか、人がいっぱいいる所で…コーディネイターを非難する人や悪口を言う人もいる…僕は、二人に……そういう言葉で傷ついてほしくないんだ。…僕の我が侭だって分かってるけど…だけど、僕は二人をちゃんと…紹介したいって思ってるんだ」

「それはキラの『友達』?」

アスランはキラが自分達を誰に紹介したいのか確認の為に聞く。

「うん。ヘリオポリスの友達に今度はきちんと紹介したいんだ。コーディネイターの僕を変わらず友達として接してくれる人達だから」

そこまで言ってようやくキラの顔に小さな笑みが浮かぶ。

「キラが会わせたい人達なら俺は何時でも会うよ」

アスランはキラの頭を優しく撫でる。

「…明日食堂で会えればいいね」

「え?」

キラの返事に今度はアスランが聞き返す。

「アスラン達が…僕の話を聞いても嫌じゃなければ明日は食堂に行こう?」

キラはアスランとラクスの顔を交互に見て返事を待つ。

「俺は別に構わないよ。元々そういう事が無いとは思っていなかったからね」

「私も皆様とまたお話できるのは嬉しいですわ」

 

 

こうして、翌日は三人で食堂にて朝食を食べる事が決定したのだった。

 

 

 

 

 

翌朝、三人は民間人達の食事が終わり、クルー達の食事の時間が終わった頃を見計らって食堂に着いた。

大体この時間帯なら休憩時間に遅れたクルーが来る位の時間なので人も殆どいない。

そして今日に限っては食堂は無人だった。

「誰もいませんわね」

ラクスは室内をぐるりと見回す。

キラは内心安堵する。

(この前のラクスの時みたいにならなくて良かった)

来た早々また何か言われたらどうしようかとキラは食堂に着くまで落ち着かなかった。

あの時のフレイの言動はキラにかなりのショックを与えた。

仮にも憧れていた存在から『化け物』呼ばわりをされた事を思い出し、キラの胸に痛みが走る。

キラの様子を隣で静かに見ていたアスランは、朝からキラが何所か落ち着かないのに気付きながらも理由は充分、分かっていた。

以前ラクスから送られてきた映像を見たアスランは、キラを傷つけた会話がされていた場所がすぐに食堂(ココ)だと分かった。

その内会うことになるので、その時が来るのをただ待つだけだった。

 

「キラご飯食べようか」

「わっ」

自分の考えに浸っていたキラは、突然肩を掴まれて驚いた表情で隣にいるアスランを見る。

「ラクスが席を決めたしね」

アスランはキラの驚いた表情を見て、クスリ笑いながら視線で促す。

「本当だ」

アスランの視線の先にはラクスが奥にある席に座って小さく手を振っていた。

キラもラクスにつられて小さく手を振ると、食事が置いてあるカウンターにアスランと共に向かい、三人は昨日とは違う広いテーブルの上で少しだけ遅い朝食を取り始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

〜おまけ〜

 

朝食時の三人(会話)

 

 

 

 

「キラ、人参は身体にいいんだから食べる!」

「別に栄養剤飲むから…イイ」

「そういう問題じゃないだろう!16歳にもなって人参が食べられないなんて情けないぞ」

「いいもん。人参食べる位なら情けなくても構わないもん」

「いいから食べる!」

「うぅ〜ラクス…」

「人参はとても美味しい食べ物ですよ」

「口あけて。ほら、あ〜ん」

「………………まずい」

「エライ、エライ、良く頑張ったね」

「エライですわキラ」

「人参食べれたご褒美に俺の苺をあげるよ」

「わ〜い!アスランありがとう」

「私のも食べてくださいませ」

「ラクスもありがとう」

 

 

「ラクス…」

「ふふふ、アスランだけに良い思いはさせませんわv」

 

 

こうして三人の賑やかな食事は続くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

コメント

何で飯食いに行くだけでこんなに長くなるのかサッパリ。
もっと文章を纏めないと駄目ですね…困った。どうしたら纏まるのだろう。
今回一番書きたかったのは実は『おまけ』。キラに人参を食べさせるアスランが書きたかったんです!それだけです!
微妙にアスVSラクな感じになっちゃいました。次回は久々にお嬢様の出番です(笑)
そういえば原作と違うのは、フレイは父親殺されて無くてもコーディネイター嫌いです。自覚なしのブルーコスモスという感じです。





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