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Sweet Birthday

 

 

 

「ねぇ国光、12月24日は、ゼ〜ッタイに空けておいてよね!」

「あぁ…わかった。空けておく」

「じゃ、約束だから絶対の絶対に守ってもらうから」

リョーマは無理矢理手塚の右手を取ると、指切りをした。

こうして二人は約束したのだった。

 

 

 

「国光のバカ〜〜〜〜っ」

キーンという響きが耳に聞こえる程の大声が携帯の向こう側から聞こえてきた。

手塚は思わず、携帯を耳元から話して空いている方の手で耳元も押さえる。

「リョ、リョーマ、頼むから少し落ち着いてくれ」

少し焦る手塚に対して、リョーマは怒りを抑える所か益々ヒートアップしたように捲し立てた。

「何で!?どうして!?俺、24日は空けておいてって言ったよね?約束したよね?それが何で駄目になっちゃうの?ねぇ、ちょっと国光聞いてる!?」

もはや携帯を耳に近づける所か遠くに離していても充分聞こえる

「ちゃんと聞いてるぞ、だが少し事情ができてしまったんだ」

携帯を耳元から離しながら手塚は答える。

正直な話、今耳元に携帯を当てたら数時間もしくは数日耳がおかしくなりそうだった。

「だから、リョーマ明日に変更はできないか?」

手塚は申し訳無いと思いつつもリョーマに聞いた途端、電話越しにドスッ…と何か鈍い音が耳に届いた。

 

果たしてこれは手塚の気のせいなのだろうか?。

 

「リョーマ、頼む話を」

「国光なんて大っキライっ!」

手塚の声を遮るようにリョーマは一際大きな声で怒鳴った。

「リョーマっ!!」

ツーツーツー…

手塚が慌てて名前を呼ぶと、電話は切れていた。

 

その後何度も電話をしてもリョーマは携帯には出なかった。

「リョーマ…」

手塚は携帯の画面を見ながら小さく溜息を吐くことしかできなかった。

 

 

そもそも、今日は昼過ぎからリョーマと出かける事になっていた。

珍しく、テニス関連ではなく『一緒にどこでもいいからブラブラと散歩みたいなのをしたい』と言い出してきた。

勿論、手塚はそれに賛成した。そして二人で某有名巨大クリスマスツリーの設置されている場所に行く事にしたのだった。

だが、今日に限り母と祖父二人して風邪でダウンしてしまったのだった。

どちらか一人ならまだしも、二人となると手塚が面倒を見るしか他なかった。父も出社している今現在、この家にいるのは自分以外の他は誰もいないのだ。

「こればかりは…仕方がないんだ」

手塚は誰に言うでもなく、呟いた。

 

 

 

一方リョーマは…

「国光のバーカ」

壁に拳を付けたままリョーマは鳴り続ける携帯を見る。

「何で…約束してたのに…」

自然と目頭が熱くなり、リョーマの目からはポロポロと涙が溢れてきた。

約束したのは1月以上前だった。

今日を凄く楽しみにしていて、昨日なんて嬉しくて眠れなかったのに、今日になって「行けない」という恋人の一言はとても辛かった。

本当は何か特別な用事ができてしまった事くらいリョーマにはわかっていた。

手塚がそうそうな事が無い限り、一度交わした約束を破るという事は無いのだ。

頭では分かっているのだけど、それよりも自分との約束を優先してもらいたかった。

(何か…女々しいかも…)

自分の感情にリョーマは内心苦笑する。こんな感情が自分にあるというのもリョーマには今まで思いもしなかった。

未だに鳴りやまない携帯をベットの端に投げると、リョーマはそのままベットの上に横になり、側にあった枕を抱きかかえた。

 

手塚と付き合うようになってまだ4ヶ月。だが、多忙な手塚はテニス部を引退した今でも生徒会の方で毎日遅くまで時間を取られている事が暫しあった。それにリョーマも部活で殆ど会う時間も無い、それこそすれ違いの日々が続く日も決して少なくはなかった。

「こんな事なら引退する時なんかに告白するんじゃなかった…もっと早くだったら部活の後とか一緒に帰れたりできたのに……」

今更言っても仕方ないと分かりつつもリョーマは愚痴る。

 

気が付けば、携帯は鳴りやんでいた。

 

 

 

 

「大丈夫ですか?」

寝込んでいる母、彩菜の部屋に粥と薬を手塚は運んできた。

「ごめんなさいね国光。今日に限って熱を出してしまって…」

ゆっくりと起きあがりながら彩菜は申し訳無さそうな顔をする。

「?」

「今日、あなたデートだったんでしょう?」

ニッコリといつもと変わらない笑顔で彩菜は言う。

「…いえ。大丈夫です連絡はしましたから」

手塚は複雑な内心(外見的には変化が見られないが)で彩菜に答える。

「それでも、今日はクリスマスイヴ。恋人達にとっての一大イベントじゃない」

「ですが、お爺さんも熱が出ているのに出かける事はできません」

手塚の台詞に彩菜は苦笑する。

「お爺さんの様子はどう?」

「……熱なんて気合いで治ると言って、普通に生活してますが…」

手塚は溜息を吐きながら彩菜に報告をする。

先程祖父の部屋に粥と薬を同じく持っていったのだが、気合いで治ったの一点張りで今は外で盆栽いじりをしている。

「お爺さんがそれなら大丈夫だから、あなたは約束をちゃんと守ってらっしゃい」

有無を言わさぬ笑顔で彩菜は言う。

「ですが…」

「それに、国晴さんがあと1時間もしたら今日は帰ってくるし。今日はね、お仕事2時に終わるのですって」

だから楽しんで来なさい。と言う母親に手塚は「ありがとうございます」と礼を言いながら部屋を出ていった。

「全く、リョーマ君に愛想尽かされたら大変だわ」

そんな彩菜の台詞を聞くものは誰もいなかった。

余談だが、彩菜には手塚の恋人がリョーマであることは始めて家に連れてきた時にわかった。だが、息子自身が言うまで黙っておいた方がいいと母親ならではの温かい心で見守ることにしている。

(リョーマ君がお嫁さんになってもらえば家も明るくなりそうだわ。それに色々とお洋服も選べそうだし本当に楽しみだわ)

そんな綾菜の考えはまだ誰も知らなかった。

 

手塚は自室へ戻るなり、急いで支度をする。

約束の時間からは2時間以上過ぎてしまったが、それでもまだまだ時間は充分にある。

机の上の携帯を見るが、画面にはリョーマからの着信は無かった。

「やはり…怒っているのか。当たり前か誕生日だったものな」

リョーマは多分知らないと思うが、手塚はリョーマの誕生日を知っていた。

付き合い始めた次の日、どこからその情報を仕入れてきたのか、不二と乾がリョーマのプロフィールなどを全部教えてきた。本当に何でそんなことまで知っていると思うほどの事までも。

だが、その事で手塚はリョーマの誕生日を知った。

なので24日はずっと前から予定をいれないようにしていた。勿論、リョーマは気付いていないと思うが。今まで自分の誕生日だという事をリョーマは全く話していないのだ。

本当は「明日に変更できないか」という台詞はクリスマスデートで、何としても夜にはリョーマにバースデープレゼントを持っていく気で手塚はいた。

「直接、会いに行ったほうがいいな」

携帯と机の上に置いてある小さな箱を手塚はポケットに入れると、そのままリョーマの家に向かった。

 

 

 

「……ん」

ゆっくりと重い瞼を持ち上げて、リョーマはベットから起きあがる。

「……あのまま…寝ちゃったのか」

ごしごしと目を擦りながらリョーマは窓の外を見る。

外はもう夕日が沈みかける所だった。

「もうすぐ夜かぁ…」

夏よりも数段早く沈んでいく夕日を見ながらリョーマはそんな事を思う。

(結局、国光からはれから連絡無いし…やっぱり俺が出ないから国光も怒っちゃったのかな?)

今思うとやっぱり電話くらい出ておけば良かったとリョーマは後悔した。

(でもっ、国光の方が絶対に悪いんだから!俺は悪く無いし)

シーツを両手で握りしめながらリョーマは色々と考える。

あの時は凄く腹立だしかったことでも、時間をあけてから考えると、自分の態度に少し嫌気がした。

(やっぱり…あんな態度取る恋人って嫌われるよね)

段々と目頭が熱くなってきてもリョーマにはどうすることもできなかった。

一度考え始めると中々止まらなくてリョーマの考えはどんどん嫌な方向に向かっていく。

(これで俺の事嫌いになっちゃっつたらどうしよう)

気が付けば、夕日は沈み夜空になり部屋の中は暗闇に包まれていた。

それが更にリョーマの感情を煽る効果を発していたのだが、リョーマはもう自分の考えで頭がいっぱいになっていた。

既に目から涙が出て、頬を幾重にも伝っていた。

「うぇ…くにっ…みつ…の…ヒック、…ばかぁ……」

「すまないリョーマ」

聞き覚えのある声、聞き慣れた声がリョーマの後ですぐした。

まさかココにいるわけ無いと思いつつもリョーマはゆっくりと後を振りむいた。

そこにいたのは、大好きな、大好きな恋人の姿。

「…く…にみつ…?」

大きな瞳(め)がさらに大きく開かれ、こぼれ落ちそうだと手塚は思った。

一方リョーマは手塚が自分の部屋にいることに驚いて、先程まで泣いていた目からは涙がピタリと止まっていた。

手塚はリョーマの元に近寄るやいなや、リョーマの躰を両手で抱きしめる。

「本当に、すまなかったリョーマ」

「国光…」

リョーマは目をパチクリさせながらも、大好きな恋人の胸に頬を寄せる。

外の寒さでコートが少し冷たかったがそれよりも手塚のぬくもりの方が大きかった。

「外寒かったのに来たの?」

ひんやりと冷たいコートを思いだしリョーマは顔を見上げる。手塚の顔も少しだが赤く染まっていた。

「そんなに寒くは無いが…冷たかったか?」

手塚は慌ててリョーマの躰を自分から離そうとするが、リョーマは首を横に振りる。

「もう大丈夫。今はもうあったかいから…手は平気?」

「手袋をしてきたからな」

ひらひらと見せる手塚の指先をリョーマはそっと手で触る。

「でも…ちょっと冷たいね」

手塚の両手を自分の両手で握る。

「俺、体温高いからこうすれば早く暖まるでショ?」

「そうだな。だけど、俺はリョーマの体温だけで充分だ」

手塚はそう言いながら両手でリョーマをもう一度抱きしめた。

 

 

 

 

どのくらいそうしていたのか分からないが、リョーマはずっと言いたかったことを口にすることを決心した。。

「あのね、国光……ごめんなさい」

リョーマは手塚の胸に顔を埋めながら謝る。

「何でリョーマが謝る?」

手塚はリョーマを胸元から離し、目線を合わせる。

「だって…国光やむおえない事情っていうのだったんでしょ?俺、我が儘言って国光…困らせちゃったから………一人で怒って…電話も出なかったから嫌われたって思ってて……」

ポツリポツリと話すリョーマだったが、瞳には段々とまた涙が溢れ出てきた。最後の辺は嗚咽で上手く聞こえなかったが、手塚はそれだけでリョーマの気持ちを理解した。

「リョーマ、リョーマは何も悪くない。元々は俺が当日になって約束を守れなかったことに原因があるんだから」

手塚は涙するリョーマの顎を右手で軽く持ち上げると、頬を流れる涙を舌先で拭うと、今度は瞼や頬に優しくあやすような触キスを送る。

「こんなに目を赤くさせて本当にすまなかった」

両瞼にチュッと音の鳴るキスを送りながら手塚はリョーマの髪を優しく梳く。

「俺ね、国光が来てくれただけでも嬉しいよ?本当に国光が来てくれて嬉しいから」

ニッコリと笑うリョーマに手塚も優しく微笑む。

「俺もリョーマに嫌われたらどうしようと思っていた…」

「じゃぁ、お互い様だね」

クスクスと笑うリョーマに手塚も苦笑しながら「そうだな」と小さく笑うのだった。

 

 

 

「リョーマ、誕生日おめでとう」

「え?」

ベットの上に隣り合うように座りながら、手塚はコートのポケットから小さな箱を取り出した。

「クリスマスプレゼントと重なってしまってすまないが…」

「ううん!…でも誕生日何で知ってるの?」

自分は一言も言ってなくて今日驚かそうと思っていたのに手塚がそれをしっていた事にリョーマは驚いた。

「恋人の情報は一度聞くと覚えてしまうんだ」

手塚は苦笑しながら心の中で友人達に礼を言う。たまには、役に立ったな…と、本人達が聞いたら憤慨してそうな台詞だが手塚は感謝していた。

「ねぇ?開けてもいい?」

嬉しさを顔中に表しながらリョーマは手塚に聞く。

「あぁ。開けてくれ」

手塚はそんなリョーマを可愛いと思い、思わず頭を撫でてしまう。

「うん!」

嬉しそうに、リボンを解き箱を開けると…

「うわぁ〜」

そこにはシルバーのシンプルな指輪が入っていた。

「これ、本当に貰ってもいいの?」

「勿論だ」

手塚は優しく笑いながら返答をする。そして、リョーマの手の中にある箱から指輪だけを取り出すと、そのままリョーマの右手を取り薬指に指輪を通し指先に音の鳴るキスを送る。

「ハッピーバースデーリョーマ」

「くにみつ…」

リョーマは思わず顔を真っ赤に染めるが、顔は本当に幸せそうな表情を浮かべている。

目にはうっすらとだが、涙が浮かんでいる。それは悲しみのものでは無く、むしろ喜びからくるものだった。

「俺…一生大事にするね」

「ありがとう」

暫く指輪を何度も見つめていたリョーマだが、ふと何かを思いだしたように急いで机の引き出しを開ける。

そしてその中から綺麗に包装された包みを手塚に渡す。

「遅くなっちゃったけど、俺からのクリスマスプレゼント」

「俺に…?」

「うん」

「開けてもいいか?」

手塚の問いにリョーマは笑顔で頷く。綺麗にラッピングを取っていくと、中には黒いマフラーが入っていた。

「ありがとうリョーマ」

手塚は恋人からの初めての贈り物に喜びを隠せないでいた。

「国光がマフラーしてる所あまり見ないから…」

リョーマは照れたように言う。

「俺もさっき国光がしてくれたみたいにやるね」

「?」

リョーマの言ってる意味がよく分からなかったが、リョーマが手塚の手からマフラーと取り上げた時にようやく気付いた。

ニコっと笑いながらリョーマは手塚の首にマフラーを巻く。

「本当は外に出てするものだから直ぐ外していいから」

部屋の中はエアコンが効いているので、リョーマは手塚に言うのだが、手塚は首を横に振る。

「遅くなったがこれから出かけよう。流石に今はもうツリーを見に行けはしないが夜景を見に行くのもいいだろう?」

手塚はリョーマの手をとり立ち上がる。

「うん!」

リョーマは嬉しそうに手塚に抱きつく。

手塚もリョーマの躰を受け止めた。

 

「あのね国光遅くなったけど…メリークリスマス」

「メリークリスマス、リョーマ」

 

 

 

こうして二人のクリスマスはちょっと遅いがここから始まったのだった。

 

 

 

 

 

 

コメント

 

甘い…ヤバイ…これ糖分間違えてるかもしれません。砂吐きまくりのラブラブ塚リョですvいつもこんな感じの話ばかりですが、冬というカップルには絶好の季節も相まって当社3割り増し位の甘さでお届けしました(笑)
プレゼントもちょっとベタな指輪ですが、クリスマスは指輪というイメージが私の中で強いので(笑)

今回手塚家はお爺さんと彩菜さんは風邪をひいたという設定でしたが、書いてて手塚さんを国光で表現した方が…良かったですね。だって家族全員手塚だし(苦笑)私の中ではお爺さんはとってもギャグキャラなイメージが強いです。多分…女の子の孫がいたら猫っ可愛がりをしてそうな感じが(苦笑)

リョーマのバースデー〜こんな形ですがおめでとうをいっぱい込めてvそして皆様メリークリスマス!