副部長と胃薬とバカップル(笑)
俺は青春学園男子テニス部副部長の大石秀一郎だ。
今年のウチのテニス部は結構イイ線を行っていてもしかしたら全国にも行けるかもしれない!何せ1年生にしてレギュラー陣も一目置いている越前もいるし。
そうそう、越前といえば親友でもある手塚の恋人だったりする。
そして実は最近のオレの悩みはその2人のことだったりする。
今日も…
「国光お疲れさまv」
「すまないリョーマ」
テニスコートの中に一カ所だけとても空気が明らかに違う場所があった。
それは言わずと知れた、青学男子テニス部の名物(!?)ともなている部長の手塚とルーキーである越前の2人の周りにから発せられるものだった。
先程手塚は練習試合で不二と対戦した。そしてやはりというべきか、結果は手塚の勝利だった(まぁ今のウチのテニス部で手塚に勝てるものはまずいないに等しいが)
そして毎回恒例になりつつもある、越前が手塚にタオルを渡しに行く。
それもとびっきりの笑顔を顔に浮かべて…。
ちなみにこのルーキーはいつもは不遜な態度で、不敵な笑みしか浮かべないのだが手塚に対してだけは何とも可愛らしく微笑むのだ。そして手塚も仏頂面と周囲から言われていたので越前の前では別人のように微笑むのだった。
だが、そこまでは俺も微笑ましい光景だと思ってはいた。
しかし、問題はここからだったりする…。
「やっぱり国光ってテニスしてる時が一番カッコイイv」
にっこりと嬉しそうに満面の笑みを浮かべて越前が言う。
少なくとも越前がこんな顔をするのは手塚の前だけだ。他の部員所か人には絶対に見せる事はまずない。
「リョーマにそう言ってもらえるのは…嬉しいものだな」
手塚も口元に薄く笑みを浮かべながら越前を見る。
とても今まで鬼部長と言われているのが嘘のような顔だ。
「本当!?俺も国光がそう言ってくれて嬉しいっ!」
突然越前が手塚の胸にダイブする。
だが、手塚は体勢を崩すことなく越前の躰をしっかりと抱き留める。
「リョーマ」
手塚は優しくリョーマの背中を両手で抱き留める。
(手塚…いつからそんなキャラに……)
俺の心の呟きをもおともせずに2人は更に公衆の面前だというのに2人の世界を広げていた。
「あのね、今日国光の家に泊まりに行ってもイイ?」
越前が小首を傾げながら手塚に言う。
「勿論だ。リョーマが来てくれると母も喜ぶしな」
手塚は嬉しそうに言っていう。
「国光は嬉しくないの?」
越前は途端暗い雰囲気を出しながら手塚のジャージの裾をギュっと握りしめる。
「俺は嬉しいに決まってるだろう」
手塚は頭を越前の撫でながら苦笑して言う。
「本当!?」
途端、越前は先程の憂いは何処にいったのやら瞳を輝かせて手塚を見上げている。
「当たり前だろう。リョーマが家に来て一番喜んでるのは俺だからな」
「えへへ。国光だ〜いすき」
「リョーマ」
手塚と越前は人目も憚らず、イチャツキ放題だった。
俺は正直、さっきからキリキリと胃が痛くて仕方ない。
とはいえ、あの2人をどうにかするのが俺の…副部長の役目だ。
(他の奴らは後が面倒なので単に副部長の肩書きを持つ俺に押しつけてるだけだが)
だが…正直な話、俺もそろそろ限界だったりする。実際あの2人のバカップルぶりは日常茶飯事、それこそ毎日と言っても過言ではない。
それを毎日毎日注意するのにも疲れ果てていた。胃薬も日が経つにつれ使用量が増えてきたし…。
だから今日こそは俺はもう放っておこうと他の部員達に言おうと思う!
(もう決心したし…それにあの2人は元から人の話を聞くタイプじゃないしな)
そう自分自身に言い聞かせて皆に言おうと後を振り返った瞬間…。
「大石あの2人早く離れるように言ってきて」
目を開けて冷ややかな視線を送る不二が俺の真後ろに立っていた。
「不二…実はな」
だが俺も自分の考えた案を出そうと申し訳なさそうに不二に話しかける。
「あの2人を見守ろうだなんてコト考えてないよね?大石(ニッコリ)」
「もっ、もちろん…だよ」
思わず冷や汗が背筋を流れる程の凶悪なオーラを放ちながら不二は笑顔でそう言う。
(恐い…)
俺は直に恐怖に駆られる。
「だったら早く言ってきてくれない」
不二は少し目を開いて俺を見る。
「わかった!」
俺は完璧に蛇ににらまれた蛙よろしく、脱兎のごとくその場からダッシュで手塚達の元に向かった。
「手塚、越前」
俺は2人を呼びながら走って行く。
「どうした大石?」
(どうしたって…お前達のせいで俺はこんなことに…)
あまりにも普通に疑問する手塚に俺はこめかみがピクッと動いた。
だが今ここでそんな事を言っても仕方ないので手塚と越前にニコっと笑いかける。
「そろそろ越前の試合が始まるから呼びにきたんだ。お取り込み中悪いと思ったんだが今は部活中だからな」
所々棘を含んだ俺の言葉に2人はどうやら気付いてはいないらしい。
それ所か…
「ねぇねぇ次の俺の試合ちゃんと見ててね」
「当たり前だろう。部活中はいつも俺はリョーマ目に入らないからな」
「俺も、国光ばっかり見てるから同じだね」
「そうだな」
またもやピンクのオーラを放出中だたりする(汗)
俺は本気で胃が痛くなった。それどころか頭痛とかすかに眩暈もする。
だが元の場所に帰るにしろ、開眼した不二がコチラを見て何だか黒っぽい感じのオーラを出している(涙)
(どうして俺ばっかりいつもこんな目に…)
本気で泣きたい気持ちの俺を余所にバカップルは未だにイチャついていた。
「国光」
「リョーマ」
(頼むから…まともな中学校生活を俺に送らせてくれ)
俺は心からそう思った。実力云々よりももっと中学生らしい爽やかな部活動を送りたいと本気で俺は思ったのだった。
そして今日も部活終了後既に日課となっている胃薬を飲み干した。
ちなみ月2箱購入する位に俺の胃は参っているのだった。
(一箱終わったから、帰りに薬局寄ってくかな)
俺は空の箱を見ながら小さく溜息をついたのだった。
END
コメント
大石副部長の受難話。いつか第三者から見る塚リョをやってみたかったのでチャレンジしてみて見事玉砕。酷すぎ文章&内容。お前もう書くな!とか言われそうで恐いです(ビクビク)しかも半分夢うつつ…深夜にこんなもん書くなと一人突っ込み(虚しい…)