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夏祭り〜oath〜

 

 

夏休みになっても青春学園のテニス部は今日も朝から部活に励んでいた。

「1時間休憩だ」

テニスコートに部長である手塚がコートの中にいる部員達に伝える。

部員達は皆コートの外に出てそれぞれ昼食の支度を始める。

手塚ははレギュラー陣専用のコートに向かうと、不意に後から抱きつかれた。とは言っても腰に手を回しているという表現の方が適切な表現だが。

「どうした?リョーマ」

手塚は後も振り返らずに抱きついてきた相手の名前を言う。

だがその声音はいつもの威厳の溢れた声ではなく酷く穏やかだった。

「バレバレ?」

リョーマはちょっとムッとしたような表情を浮かべるが直ぐに笑顔に変わった。

「あぁ。俺にこんな事をするのはお前位だからな」

手塚はリョーマの手を腰から剥がすとリョーマの前で腰を屈める。そうすると目線が丁度合ってお互い話しやすいのだ。

「何かあったのか?」

手塚はリョーマにそう問う。

「あのね…」

リョーマは言おうと思ったが、口を噤むとそのまま手塚の腕を取り、コートから出ていく。

手塚はリョーマに腕を取られたまま疑問を抱きながらも大人しく為すがままになっていた。

 

 

 

中庭に着くとリョーマは手塚の腕を離して、とある木の下に腰を下ろす。ちなみに昼食として購入したパンと飲み物は途中手塚が更衣室に行って2人分持ってきていた。

手塚はリョーマの隣に座ると、隣に目を向ける。

そこには何か考えているリョーマの横顔が移った。

一方リョーマは一人何かに納得したかのように頷くと手塚に顔を向ける。

「あのさ……お願いがあるんだけど…」

真剣な瞳でリョーマは手塚の顔を覗き込む。

「何だ?」

手塚はリョーマの台詞を促す。

「あのね、明日のお祭り…一緒に行ってくれない?」

最後の辺は小さい声だったが手塚には充分に聞こえていた。

「祭りにか?」

が、再度確かめる様にリョーマに問う。

が、リョーマはその台詞を聞いて何処か暗い表情になると小さく頭を振った。

「やっぱり…いいよ」

呟くようにそう言うリョーマに手塚は狼狽える。

「どういした?リョーマ…」

自分はただ、リョーマに確認をしただけなのだが目の前にいるリョーマの表情は今にも泣きそうだった。目からは涙が微かに溢れているのが何よりの証拠だった。

「リョ、リョーマっ!?」

手塚はポロポロと涙が頬に流れ始めたリョーマに慌て、リョーマの躰を両手で思いきり抱きしめる。

「一体どうしたんだ?いきなり泣くなんて…」

手塚はリョーマの背中を撫でながら落ち着かせようと試みる。

「…っ…ふぇ…ぇ」

だがリョーマは落ち着く所かますます泣きじゃくるので、手塚はリョーマが落ち着くまで待つことにした。幸い昼の休憩は一時間あるので手塚はリョーマを抱きしめながら、自分の腕の中にスッポリと埋まってしまう小さな恋人を改めて愛しい存在だと思った。

暫くしてようやっと落ち着いたリョーマは、赤い目のまま手塚を見上げると、手塚と目が合う。

「涙は止まったみたいだな」

手塚はリョーマにふわりと微笑むと抱きしめていた腕を離して、リョーマを膝の上に乗せる。

「…ごめんね…シャツ…濡らしちゃった」

リョーマは涙で湿った手塚のシャツを見る。

「気にするな…それよりどうしたんだ?」

手塚はリョーマの頭をポンポンと軽く叩く。

「国光…俺とお祭り行くの嫌なんでしょ?」

またしても泣きそうになるリョーマに手塚は慌てる。と、いうか自分は一体いつ行かないと言ったのだろうかと心の中で疑問する。

「ちょっと待て。リョーマは俺が何で行かないと思ったんだ?」

手塚は自身を落ち着かせながらリョーマに問う。

「だって、さっき祭りの話したら国光の眉間に皺よって何か嫌そうだったから…」

以外なリョーマの台詞に手塚は盛大な溜息を吐いた。

「何で溜息つくの?」

リョーマは少々睨みながら手塚を見る。

「いや、俺は祭りに行くのか?と確認しただけなんだが。そもそもリョーマの声が段々と小さくなってもし俺の聞き間違いだったら悪いしな」

手塚は申し訳なさそうにリョーマに告げる。

「じゃぁ、別に俺と行きたくなかった訳じゃないんだ?」

リョーマの表情は一変して笑顔に変わる。

「勿論だ。リョーマから誘ってくれて嬉しくない訳ないだろう」

手塚は力説すると、自分の表情の変化の無さを初めて呪った。

「なら明日の夕方は一緒に行こうねv」

そんな手塚の内心に気付かないリョーマは無邪気に告げると、手塚の上から降りて昼食を取り始める。

こうして2人は他の部員達より少し遅い昼食にありついだ。

 

 

 

 

翌日の夕方、リョーマは手塚と一緒に神社までの道のりを歩いている。その表情は酷く楽しげだった。

「俺浴衣着るの初めてで何か不思議なカンジ」

今日も部活が終わりリョーマは手塚と途中まで帰っていると、手塚の家にそのまま連れていかれた。そしてシャワーを浴びるように言われてそのまま出ると手塚の母。彩菜に着せ替え人形よろしく、あっという間に浴衣に着替えされられていた。

浴衣は手塚のお下がりだがリョーマにはピッタリのサイズだった。

(でも小学生の時のっていうのが何かムカツクけど)

リョーマは隣にいるやはり浴衣姿の手塚を見上げる。

「何だ?」

リョーマの視線に気付いた手塚が問いかける。

「別に〜ただとても中学生には見えないなぁ〜って思っただけ」

ちょっと嫌味を込めて言うと、手塚はそうか…とどこか気落ちした声を出す。

「ちょっと、そんなにガッカリした感じに言わなくてもイイじゃん!大人っぽく見られるって事なんだから」

リョーマは狼狽えながら手塚のフォローに回る。

「まぁそうだな。リョーマみたく小学生には間違えられる事はまずないな」

手塚はニヤリと笑いながらリョーマに返事を返す。

「ムカツク」

手塚の意趣返しにリョーマはフンっと顔を背ける。

(そういう所も小学生っぽいんだがな)

それを言ったらリョーマは完璧に拗ねてしまうので手塚は心の中で呟いた。

「機嫌を直してくれ。もう祭りは初まってるぞ」

手塚はリョーマの頭を優しく撫でる。

「…これで許してあげる」

そういうとリョーマは手塚の右手を自分の左手に絡める。

手塚はリョーマの可愛らしい行動に思わず笑みが零れてしまう。

「手…放さないでね」

小さく呟くような声が手塚の耳に届いた。聞き間違えかと思ったが、隣にいるリョーマの顔が赤く染まっていたので手塚は確信した。そして了解とばかりにリョーマの手をさっきよりも強く握ったのだった。

 

 

 

境内に入ると沢山の人がそこにはいた。自分達みたいに浴衣姿もいれば私服姿もいてとても賑やかである。出店のライトのお陰でいつもはどこか暗い神社もこの日ばかりはとても明るく、活気が溢れている。

「すごい人だね〜」

予想外の人の多さに驚いたようにリョーマは言う。

「この祭りはここらで一番規模が大きいからな」

人が集まる。と手塚はリョーマに説明する。

「ふ〜ん…あ、そうだ!俺一番初めに行きたい所があるんだけど行ってもいい?」

リョーマは思いだしたように手塚に告げる。

「別に俺はかまわない」

「じゃぁ。あっちに行こう!」

リョーマは前方を指差すと、手塚の腕を引っ張るように進んでいく。

途中人混みを掻き分けるように2人は進んだ。

そうしてたどり着いた先は神社の真後ろにある大きな大木だった。

さすがに祭りの反対側とあって人気は無い。

「リョーマ?」

何があるんだ?と手塚はリョーマに問いかける。

「あのね…不二先輩から聞いたんだけど」

その台詞に手塚は嫌な感じがした。大抵不二の言う事はろくな事じゃないのを過去の体験で経験済みだた手塚である。

「今回は役に立つ情報貰ったんだよ」

リョーマは手塚の思っている事を察知し、説明する。

「夏祭りの日にここで誓いあった恋人は幸せになれるんだって!そう不二先輩が教えてくれたの」

リョーマは不二の言った台詞を思い出しながら手塚に言う。

「だから…国光と一緒に行きたくて…」

リョーマは赤くなる顔を隠すように顔を伏せる。が、手塚がリョーマの顎を左手で掬うとそのまま唇に触れるだけのキスを送る。

直ぐに離れてしまったがリョーマは更に顔を赤く染める。

「く、くにみつっ!」

「ここで誓い合った恋人は幸せになれるんだろう?」

手塚はリョーマの耳元で囁く。

「でも…誓い合うって……」

「結婚式でも誓いあう時はキスをするだろう」

手塚はそう言うと再びリョーマの唇触れた。今度は直ぐに離れなく、リョーマの唇を深く貪るような激しいキスだった。口腔を手塚の為すがままに蹂躙されてリョーマが自分で立てなくなったころようやく唇が放された。

「も…っ…」

肩で息を吸い、ガクガクと足が震えているリョーマとは反対に手塚はクスクスと笑う。

「すまなかった。ただリョーマがあまりに可愛い事を言うから、ついな…」

手塚はリョーマを自分の胸に凭れ掛けさせて抱き留める。

「ついでこんな事しないで貰いたいよ…まだ祭り楽しんでないのに」

リョーマは照れ隠しのように文句を言う。事実リョーマの顔は笑っていた。

「俺はリョーマとずっと一緒にいるつもりだ」

ふいに手塚が真面目な顔で話す。

「国光?」

「まだ俺達の先は長いが、俺はリョーマと行ける所まで一緒にいたいと思っている」

手塚の台詞にリョーマはにっこりと微笑む。

「俺も国光とずっと一緒にいたいよ」

これから先どんな事が自分たちに襲いかかってくるかもしれないが、それでもずっと一緒にいたいー。

リョーマは手塚の浴衣の裾をギュっと握ると、背伸びして今度は自分から手塚にキスを送る。

「これでお互い幸せだね」

「そうだな」

2人はお互い微笑む。

「また来年も一緒にお祭りに行こうね」

リョーマは微笑みながら手塚に言う。

「あぁ。一緒に来よう」

手塚はそう返事をすると、リョーマの手を握る。

「取りあえず、今年の祭りを楽しまないとな」

「そうだね」

リョーマも手を握り返す。

そうして2人は祭りで賑わう広場の方に向かって行く。

きっちりとお互いの手を繋ぎながら。

 

 

END

 

 

 

コメント

暑中見舞い企画で書いたSSのテニプリバージョン!もちろん好きしょ!!でもやりました!が夏でもあつくるしい二人です。書いているこっちまで暑いといいながら書いてました(笑)