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STUDY
   




テスト3日前。リョーマは今日も手塚の家でテスト勉強に励んでいた。
テストが始まる1週間前から青春学園では部活動が休止となる。
学生の本業は勉学という学校の方針により、男子テニス部も1週間前から部活は禁止となった。
そしてリョーマは必死になり苦手な現代文と古典を手塚に習っている最中だった。
何故必死かというと、赤点を取った部員には魔の学校の周りを●周が待っているのだった。グラウンドならまだしも、青春学園はマンモス校なので学校自体がとてつもなく広い。その周りを20周30周走らされるのは地獄だ。というか果たして無事走れるかという方が問題である。現に今の最高保持者は桃城の12周が最高だった。
ちなみに赤点の数で走らされる周がちがうので部員達は皆必死でテスト前は勉強に専念している。そのお陰か男子テニス部は他の部活に比べて赤点者がもの凄く少なくて有名な話だ。


「できた〜」
リョーマは握っていたしゃーペンを机の上に投げるように置くとそのままドサっと床に仰向けに寝転がる。
「見せて見ろ」
テーブルの反対側で手塚は自分の問題集の手を止めリョーマの方を見るとそのままリョーマの説いた問題集に目を配らせる。
「…まぁ大分当たってはいるが…」
「本当!?」
手塚の歯切れの悪い台詞にリョーマはガバッと前を起こしてにっこりと嬉しそうに笑う。
手塚は「平均ギリギリかも」という台詞を言おうとしたが、リョーマの嬉しそうな顔を見たらそんな事言えなくなってしまった。
結果、
「よく頑張ったなリョーマ」
手塚はリョーマの髪をクシャっと混ぜ、ねぎらいの言葉をかけたのだった。
「えへへ〜」
リョーマも手塚に褒められて嬉しそうに頬を少し赤く染める。
「では次は漢字のドリルだ」
手塚はリョーマの頭から手を離すと机の端に積まれているドリルの中から「漢字ドリル」を引っ張りリョーマの前に置く。
「えぇ〜まだやるの?」
リョーマは嫌そうにドリルを見る。
「当たり前だ。テストまでもう間もないんだぞ。只でさえお前は国語が普通の中1よりできてないんだから」
「でも英語はできるもん!」
手塚の台詞にリョーマは拗ねた口調で反論する。
手塚はそんなリョーマの姿を内心可愛くて仕方ないのだが、今は勉強中という事もありリョーマを叱咤する。
「へらず口を叩く暇があったら漢字を1つでも覚えろ。赤点取ってもいいのか?俺は恋人だからといって依怙贔屓はしないぞ」
手塚の台詞にリョーマはう゛〜っと唸るが手塚は知らん顔で自身の勉強に取り組んだ。
(絶対国光って意地悪だ!)
リョーマはぶつぶつと文句を心の中で言いながらもきちんと漢字ドリルをやっている。
(大体なんで恋人を家に招いてキスの1つもしてくれないの?)
リョーマはふと手を止めて手塚を伺う。
手塚はノートに何かを書きながら、時々教科書や資料集をパラパラと捲りながらまたノートに書いていた。
(勉強してる時も様になるって何かムカツク)
目の前にいる手塚にドキドキしながらリョーマは悪態をつく。
(…やっぱしカッコイイな)
何をやっても様になる手塚にリョーマは憧れている。もちろん大好きな恋人だがそれと同時に男として手塚は充分にリョーマの憧れの対象となっていた。


(…視線を感じる)
手塚は先程から痛いほど視線を感じていた。ちなみに視線の主はわかっている。何せ今部屋にいるのは自分と可愛い恋人だけなのだから。
(仕方ないな)
手塚は心の中でそう思いながらも口元が微かに綻ぶ。俯いていたのでリョーマには気付かれなかったが。
リョーマの視線は相変わらず続いている。だが決してソレは嫌ではなかった。
普段から手塚は誰かから必ず視線を貰っている。学園のカリスマ的存在の手塚は常日頃から周囲の注目を浴びている。だが手塚にはその視線が嫌悪までとはいかないが、あまり好きではなかった。時には煩わしいとさえ思う。
だがリョーマに見られているととても心地良い。それがリョーマが怒って睨む時でさえー。
あの大きな猫のような瞳に自分だけが映されているという事が何よりも手塚の満足感を満たした。あの瞳に他の誰でもない自分1人だけが映されているのだ。
だから手塚も今リョーマが自分を見つめている行為を注意する気にもなれなかった。
(病気だな…)
自分の独占力の強さに自嘲気味に笑う。
「何がおかしいの?」
ふいにすぐ側から声が聞こえた。
手塚は左側に首を向けると直ぐ側にリョーマがいた。
(いつの間に…)
先程までは確かに正面にいた筈だと思ったのに…。
「それよりドリルはどうした?」
手塚は話題を変えて正面にあるリョーマのドリルを指差す。ドリルにはまだ半分位しか書いてなかった。
「恋人より勉強の方が大事なの?」
男女の恋愛でよく使われる『私と仕事どっちが大事なの?』という台詞を感じさせる口調でリョーマは手塚を見る。
「あのなリョーマ…テスト勉強はリョーマにとっても大事な事なんだぞ」
手塚は幼子に言い聞かせるようにリョーマに言う。
「それ位分かってるもん!」
リョーマは思わず声を荒げる。
(でももっと国光の事近くで見たかったから…)
リョーマはその台詞を飲み込み。手塚を上目遣いに見上げる。
「リョーマ」
思わず抱きしめたくなる衝動を堪えて手塚はリョーマの肩に両手を置く。
キスされる瞬間ぽくてリョーマはドキドキと胸を高鳴らせるが、それは杞憂に終わった。
「勉強をしろ」
手塚のその一言で。

ーブチッ
リョーマの中で何かがキレた。
「国光のバカー!」
キーンと耳元で怒鳴られ手塚は思わず耳を塞ぐ。
行きなり大声を上げた恋人を見て手塚は焦る。
「リョーマ?」
手塚は行きなり怒鳴っるリョーマを凝視する。
「なんなんだよ!もう!折角恋人が部屋にいるのにキスもしてこないなんて、国光俺のこと本気で好きなの?今日1日ずっと勉強ばっかりでドキドキしながら今日が来る日を待っていた俺がバカみたいじゃん!」
リョーマは一気に捲し立てる。
少しは反省したのかと手塚を見ると手塚はニヤリと笑っていた。
「何?その笑い!」
リョーマは反省の色を見せていない手塚に更に怒りをぶつけようとしたがそれはできなかった。
手塚が強引にリョーマの頭を左手でグイっと引き寄せるとそのまま唇を塞がれた。
右手で手塚はリョーマの顎を親指で強く押すと、自然とリョーマの唇が開く。
その隙をついて手塚はリョーマの口の中に舌を這わせる。
舌はリョーマの歯列の裏側までも丹念になぞる。
「ふっ…ん…」
リョーマの口からは鼻にかかった声が僅かに開いた口の隙間から漏れる。
口内を犯す舌から逃れようとリョーマは自分の舌先を引っ込めようとするが、手塚の舌に素早く舌を絡め取られキツク吸われる。
お互いの唾液が混ざり合い、リョーマの口の端からはどちらとも言えない唾液が流れる。
何度も舌先を吸われてリョーマの舌は麻痺してくる。すでに舌はキツク吸われすぎたためジンジンという痛みが広がってくるが、リョーマはその感覚すら心地良かった。
クチュクチュとキスで生まれた水音がリョーマの耳を犯していく。
それすら今のリョーマには心地よかった。手塚を感じられる事がリョーマには何より嬉しかった。
手塚の胸にもたれ掛かるとドクンドクンといつもより早めな鼓動が聞こえてくる。
躰に力が入らなくなりはじめた頃手塚はリョーマから唇を離した。
「リョーマ」
手塚が穏やかな声でリョーマを呼ぶ。先程まで荒々しくリョーマの口内を犯していたのが信じられない位の穏やかな声だ。
「くにみつぅ?」
痺れているため舌足らずな口調でリョーマが手塚の名前を呼ぶと手塚はそのままリョーマを抱き上げてベットに運んだ。




「リョーマ」
手塚はぐったりと半ば気絶したように眠りついているリョーマの髪を手で優しく梳く。
結局あの後は勉強なんかそっちのけでリョーマと情交を交わしていたのだった。
「全く…誰が本気で好きじゃなきゃ男なんか抱けないだろ」
手塚は軽く溜息をつきながらリョーマを見つめる。とても優しい瞳でー。
ふと先程のリョーマの台詞が頭を過ぎった。
『ドキドキしながら今日が来る日を待っていた俺がバカみたいじゃん!』
大切な恋人はそう言った。
あの時のリョーマの顔はとても可愛かった。涙を流すまいとして潤んだ瞳、唇も何かを堪えるようにキュっと結んでいる。それだけでも手塚はリョーマにクラクラときていたのにトドメがあの台詞。
この時手塚の理性の糸は少しずつ切れていた。
既に勉強の事など頭から抜けていてリョーマをどう可愛がってやろうかそれだけだった。
手塚とてリョーマを家にしかも私室に招き入れて何もしたくない訳ではなかったがやはりテスト勉強という名目でリョーマが家に来ているのに手を出すのはいけないと。心の中で葛藤していたのだ。
結局はヤってしまったが。
「…これからはどうするか」
今後また部屋に招き入れれば絶対の確率でリョーマを抱いてしまう。
手塚ははぁ〜と大きな溜息を付くと今後の勉強会の場所を頭の中で必死に探す。
リョーマはそんな手塚の苦悩もそっちのけでスースーと幸せそうな顔をして寝息をたてていた。







結局勉強会はレギュラー陣全員で部室で行われた。
「やっぱり皆でやるとはかどるにゃ」
「そうだね。二人だと違うことばかり捗っちゃうもんね」
菊丸と不二の台詞に海堂は微かに頬を赤く染める。
「どうしたっスカ?」
そんあ海堂の様子に気付いたリョーマは声をかけたが海堂は「なんでもない」とボソっと呟くだけだった。
リョーマは自分とは反対の海堂の隣に座る乾の方を見ると眼鏡で表情は見えないがかすかに口元が笑っていた。
(…なるほど)
リョーマは何となく察知した。
「でもやっぱりレギュラー陣は団結力が強いな」
「そうだね」
人の良い大石と河村は自分たちが使われている事などこれっぽっちも思ってない。
そうしてテスト前日まで男子テニス部のレギュラー達は仲良く勉強会をしていたのだった。






あとがき


久々のSSこれは日記に載せられないと思いギャラリーに移動しました。結局2日も制作時間かかってるし。遅いです。最近全く書いてなかったので文もおかしいかも…。
今回部長を少し男前にしてみました!たまには押されるリョーマさんも書きたかったのですが何かいつものノリとあまり変わらなく…(ゲホッ)
そういえば季節的にも丁度テストだな〜学生が電車の中で単語帳とかプリントとか必死になって見ているのを見て何だか学生時代が懐かしくなってきました