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願掛け

 

放課後の科学室には滅多にいない人物と学園で見かける事の無い人物がいた。

「なぁ…その髪っていつから伸ばしてるんだっけ?」

見かける事の無い人物、真一朗が滅多にいない人物である科学部顧である相沢の背後から声をかける。

「………」

だが相沢は無言で何かの薬品を混ぜて調合を続ける。

「なぁってば」

「………」

「おい、相沢」

「………」

「あ〜い〜ざ〜わ〜」

「………」

いつまで経っても無言の返答に真一朗は痺れをきらした。

そして小さく一言。

「もう会いに来てやんねーぞ」

ボソっと…本当に小さな呟きだった。

「…はぁ」

返答なのか相沢が小さく溜息を漏らした。

「お前はこの状況が見えないのか?」

相沢はクルっと真一朗の方に躰を向ける。そして実験台の上で行われている事を真一朗に見せつけるようにしながら微かに眉を寄せる。

「状況…って別に薬の計量図ってるだけじゃん」

目の前にある上皿天秤を見ながら相沢に答える。

「…その分量を少しでも間違えれば結果が変わる」

相沢は真一朗に諭すように話す。

「ふ〜ん…で、どうなるんだ?」

真一朗は興味無さそうに相沢に聞く。

(別に少し違くたって死んだりする訳じゃないんだから…大袈裟だよな)

真一朗は心の中でそう呟きながら相沢の返答を待つ。

「死ぬ」

だが、思いもよらなかった相沢の返答に真一朗の両目は大きく開かれる。

「は!?」

何とも情けない声を出しながら真一朗はマジマジと相沢を見る。

途端、相沢の顔にニヤっと人の悪い笑みが浮かんだ。

「人間の脳細胞をだんだんと破壊していく薬品を作ろうと思ってな…まぁこれはまだ実験途中だが…」

世にも恐ろしい台詞を淡々と言う相沢に真一朗がサァっと青くなる。

「まぁ本格的な作業は研究室でやるが、お遊び程度にな」

とても遊びで行っていものでは無いのだが、そこはやはり兵器薬の組織のボスである相沢である。今更やめろと言ってもどうにもならない事である。

「そんなモン作んじゃねーよ!」

何とか心を落ち着けた(無理矢理)真一朗は少し上擦った声で相沢に抗議する。

(つーか、その薬一体誰が試飲すんだ?…もしかして俺…)

真一朗は心の中でもしやの可能性を思う。

「…安心しろ。お前に試飲は頼まん」

相沢は真一朗の心を見透かした様に、ビーカーの中に薬品を混ぜながら背中越しに真一朗に言う。

「そうか」

ホッと胸をなで下ろし、真一朗は取りあえず一安心する。

(もうコイツと薬の話はタブーだな。俺の心臓が持たねーし)

真一朗は心の中でそう決意した。

 

 

カチャカチャとガラスのぶつかる音だけが科学室に響く。

相変わらず相沢は薬品の制作、そして真一朗は相沢の背中を実験台の上から見下ろしていた。

そしてやはり先に静寂に痺れを切らしたのは真一朗で…

「でさ〜さっき俺が言った髪の毛伸ばしてる理由って何で?」

両脚を小さい子供がするようにブラブラと前後に揺らしながら真一朗は一番初めに会話の切っ掛けとなった台詞を真一朗は相沢に聞く。

「………特に理由は無い」

少々間が空いて相沢はポツリと呟く。

「その間が妖しい」

探偵の勘がそう言っている!と言いながら真一朗は相沢の背中を見る。

「別に妖しくはないが…」

「もしかして願掛けとかしてたり?」

真一朗は冗談ぽくそう言ってみると、微かだが相沢の肩がビクッと強張ったのを真一朗は見逃さなかった。

「マジで?」

自分で言っておいて真一朗は驚きを隠せなかった。

それは相沢は科学者だからだというのが一番の理由だが。大体の科学者は迷信や超常現象など端から否定している。

それは相沢も同じだと真一朗は思っていたのだが、そうやら違ったらしい。

「そうなんだ」

真一朗はニヤリと悪戯を思いついた子供の様に目を輝かせて、実験台の上から降りて相沢の元に近寄る。

「なぁなぁ何願掛けしてんだよ?」

真一朗は相沢の真横に立って顔を覗き込む様に聞きに入る。

「何も」

相沢は相変わらず素っ気無い態度で薬を調合している。

「何もって事は願掛けしてるんだろ?別に幼馴染みみたいなモンなんだから隠す事ねーだろ〜」

真一朗は白衣の袖を軽く引っ張りながら相沢に食い下がる。

相沢はそんな真一朗の行為を内心可愛いと思いつつも顔には出さず小さく溜息を漏らし、ジロっと少し目を細めて真一朗を見る。

「いい加減にしろ。真一朗」

キツメの口調でピシャリと相沢は言う。

「そっちこそ願掛け位で怒るなよな〜」

さが真一朗はつまんなそうに一言、言うだけである。真一朗は相沢が自分に対して多少は甘い事を知っている(実際は多少所ではなく、かなり甘いのだが真一朗は気付いていない)ので飄々と軽口がたたけた。

「まぁ、そんなに言いたくないなら俺はもう聞かねぇし」

真一朗は笑いながら相沢を見る。

相沢は実験に使用していたビーカーとガラス棒から手を離すと、真一朗の頬を手の甲で軽く撫でる。

「どうせならぞの手袋外してからやってくれた方が俺としては嬉しいんだけど?」

真一朗はくすぐったそうに目を細めながら相沢の手袋を指で引っ張りながら摘む。

「フッ…それはすまなかったな」

相沢は口元に小さく笑みを浮かべると両手の手袋を取り外し、再度真一朗の頬に手を掛ける。但し、今度は両手で。

「これで満足か?」

「まぁまぁって所だな」

真一朗はクスクスと笑いながら相沢に答える。

「なら満足するまで付き合おう」

相沢はそう言うと、真一朗に顔を近づけると、そのまま唇を塞ぐ。

唇に触れるだけのキスが段々と深くなり、相沢が真一朗の口腔に舌を差し込む。

「ふぅ…んッ…」

そのまま舌をキツく吸い上げると真一朗が鼻にかかった甘い声が漏れる。

相沢は何度も真一朗の舌を強弱をつけて吸い上げる。

「ぁ…ふ…」

時折真一朗の唇からは小さな声が漏れる。相沢はその声に挑発されるかのように更に深い口付けを仕掛けてくる。

程なくして真一朗の躰から力が抜けていく。ガクンッーと、膝が折れる瞬間相沢はいつの間にか両手で真一朗を抱き留めていた。

腰を強く抱かれて真一朗は離れるにも離れられなくてそのまま長い時間相沢に唇を犯され続けたのだった。

「…はぁ…は…っ…」

永遠とも思えた長いキスからようやく開放された真一朗の口の端からは先程から飲み込めなかった唾液が筋を作って流れていた。そして両者の舌先からも唾液が糸を引いて名残悪しそうに離れる。

「相変わらず、そそる顔だな」

キスの余韻で赤く上気した顔とトロンとした瞳、濡れた唇の間からは強く吸いすぎたせいで赤く染まった舌が伺える。

相沢はそんな真一朗を熱を持った瞳で見つめる。

「先に誘ったのはお前だろう」

真一朗は相沢の台詞に顔を赤く染めながら胸の中に顔を埋める。その仕草は恥ずかしさを隠すかのように見えて更に相沢を煽った。

勿論その事に真一朗は気付いていない…。

「そうだな。それでは責任を取らないとな」

相沢は何処か楽しそうに言うと、真一朗を抱き上げる。

「うわっ!…オイっ」

突然視界がグラリと変わり真一朗は思わず相沢の首にしがみついてしまった。

「今日は随分と積極的だな」

思わず抱きついてきた真一朗に相沢は機嫌を良くしてニヤニヤと笑う。その笑みはいつも浮かべている黒い笑みではなく心底楽しそうに見えるのはきっと…気のせいではない筈だ。

真一朗は耳まで真っ赤に染めながら今の現状を見る。

「うわっ、オレっ…え?…〜っ!!」

パニくりながら真一朗は自信に起こっている現状を確認する。

(相沢にお姫様抱っこされて…しかも俺から首に腕回してるじゃねーかっ!)

心の中で思いきり叫ぶ。だが口から出る言葉は「え!?…ヘッ?…あ…っつ」と何とも意味不明な単語ばかりが漏れるだけだった。

「真一朗…五月蠅いぞ」

耳元で騒がれて相沢は眉を微かに寄せながら真一朗を軽く睨む。

そしてそのまま先程まで真一朗が座っていた実験台の上、真一朗を降ろした。それは酷く優しい扱いで。

「まさかスルのか?」

真一朗は自分の上にのし掛かってくる相沢を見ながらそう呟く。

「当たり前だ。あんなに人を誘っておいて」

相沢はいささか呆れた顔で目の前にいる真一朗を見る。

「誰が誘ってんだよ」

相沢と同じく、呆れたように言う真一朗。

「うるさい口は早めに塞いでおくのが得策だな」

言うが早いが、相沢は早速真一朗の口を塞ぎにかかったのだった。

勿論、行為の自分を求める声は塞ぐ所か強制されたのは言うまでもないが。

 

 

 

 

 

 

相沢は実験台の上に腰掛け窓から空を見上げた。

すっかり外は暗くなり電気も付けていない科学室は全ての意味に置いて静かだった。

月の光だけが室内を照らす明かりの役目をしている。

「願掛けか…」

小さくそう呟くと目線を下に向ける。そこには自分の膝の上に白衣の上着だけが掛けられて、先程までの行為でグッタリとしている真一朗が「ん…」と声を漏らし小さく身じろいだ。

その仕草に相沢の口からは小さな笑みが自然と零れる。

そして自分の後に延びた髪を左手で梳く。

「まさかお前が言ってくるとは思わなかったな」

そう言いながら相沢は行為の前に言っていた真一朗の台詞を思い出す。

「何を願掛けしている…か」

(お前とこのまま続けばいいと思っている…と言ったらお前は一体どんな反応をするのだろうか)

相沢は苦笑する。そんな事を思っている自分に対して。

科学者失格だな。

そんな事を考えながら相沢は真一朗の寝顔を優しい眼差しで見つめていたのは本人でさえ気付いていない。

ひっそりと静まりかえり、自分達以外の何者もいない室内で相沢は真一朗の額に触れるだけのキスを送る。

 

 

そんな二人を窓から差し込む月の光が優しく包み込んだのだった。

 

 

 

 

END

 

 

 

 

 

コメント

2作目にして内容が甘いっ!甘すぎます…相×真でこんなゲロ甘な話を思いついた私の脳みそ万歳だ♪BGMも甘めな曲にしてみました〜音楽あると更に内容にパンチが効きますね!
この話がアップされると同時に苦情メールの設置場所でも用意した方がいいのかも…とコメント書きながら既に逃げ腰体勢入ってます(汗)でも楽しかった(本気)