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I's

 

 

 

今日は珍しく朝から体がだるかった。

理由は熱があったらしい。2時間目の体育授業中どうやら俺は倒れて昼休みになった今まで保健室で寝ていた。

七海ちゃんには早く早退しろと言われたけど俺はそのまま帰るわけにはいかない。

だってアイツに一応報告しなければ明日が恐ろしいから。

どうせ熱を出しても感心はないだろうけど一応言っておくに越したことはないし。心配なんてされるワケないし…。

俺は熱で半ば朦朧とする意識の中なんとか数学教論室に着く。

「みなと〜」

ガラガラとドアを開けるのと同時に俺はココの所有者の名前を呼ぶ。

「羽柴?」

水都は椅子を回して俺の方に振り向く。

俺はそのまま中に入り水都の前まで行くとクラクラする頭で何とか今日は帰る旨を伝えようとするが喉が熱くて言葉が出てこない。

「あ…の、俺…」

カラカラと熱く渇く喉を必死に振り絞りなんとか声を出す。

「羽柴…」

水都が俺を呼ぶのと同時に額に右手を添える。

「ー!!」

「熱があるな」

一瞬だが水都の行動に俺はもの凄く驚いた。こんなふうに接してくれた事は今まで一度もなかったから。

だけどひんやりとした手が熱い体には気持ちよかった。

「俺、帰ってもいいか?」

俺はドキドキしながら水都に伺う。

「当たり前だ。早退手続きは取ったのか?」

「あ…ぁ七海ちゃんがうめちゃ…担任に渡してくれたから」

「そうか」

水都はどういうワケだか梅ちゃんと呼ぶと機嫌が悪くなる。七海ちゃんは全然問題ないんだけど何でだろう?

「なら今日は大人しく寝ていろ。熱で更に頭が弱くなっては困るからな」

「〜わかったよっ!」

俺はそう言うと教論室からそのまま出ていく。

 

バタンと大きな音を立てて空が去った後、教論室では水都が珍しく嬉しそうな表情でドアの方を見つめていた。

「まさか自分から報告しに来るとはな」

水都は嬉しそうに口元に手を当てて再び仕事を始める。

 

 

一方空の方は…

 

俺は寮の自分ベットにドサっと思いきり倒れ込む。

薬は保健室で飲ませてもらったから後は寝るだけ…なのに俺はドキドキして眠れなかった。その理由はやっぱりアイツだ。

いつも通りムカツク事を言われたのに俺は今回は反抗できなかった。

だってアイツの目がすごく優しくみえたから。いつもと同じ口調だけどいつもと違う瞳で俺を見たから。何だか大事にされているような気がした。

そんなことあり得ないのにー。

俺はアイツの玩具なのに…。

わかっているのに何でこんなにドキドキと胸が騒ぐんだろう…。

俺はわけの分からない気持ちのまま眠りについた…。





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