Waking
貴方が生きていてくれた事がこんなにも嬉しい。
点滴を打ちながら眠り続けるアスランをキラは静かに見つめていた。
先程までカガリがいたが、キサカに呼ばれた為、部屋から渋々出ていった。
「アスラン」
キラはアスランの名前を呼ぶが、アスランは相変わらず眠ったまま目を覚まさない。
「アスラン」
キラは再度名を呼ぶ。
だが、聞こえるのは静かな寝息ともいえない音だった。
青白い頬にそっと手を合わせると、心なしか少しだけひんやりとしていた。
だけど、温かい人肌の温もりを感じてキラは彼が生きているという事を実感し、酷く安堵した。
アスランがキサカ達に連れられAAにやってきた時はキラは心臓が止まりそうだった。
ベッドの上でただ眠り続けるアスランを見たときは、生きた心地が全くしなかった。
「…ねぇ、起きてよ。アスラン」
アスランの頬に手を当てながらキラは呼び続ける。
早く目覚めて欲しい。
大好きな翡翠の目で見つめて欲しい。
温かい腕に抱きしめて欲しい。
優しい声で僕の名前を呼んで欲しい。
「早く目を覚まして…」
お願いだから、目を開けて。
「…ん…っ…」
今までずっと眠っていたアスランから僅かだが、うめき声が聞こえた。
「アスランっ!?」
キラはアスランの名前を必死に呼ぶ。
「アスラン…起きて!」
両手をベッドの上に乗せて、眠るアスランに顔を近づけながらキラはアスランの名を呼び続けていると、ゆっくりとだがアスランの両瞼が開かれる。
そして、翡翠の双眸が虚ろ気にキラを見つめる。
「キ…ラ……」
掠れた小さな声だが、名前を呼ぶアスランにキラは両目から涙を溢れさせながらも微笑む。
「アスラン!!」
キラは色々言いたいことがあったが言葉に詰まり、ただアスランの名前を呼ぶことしかできなかった。
「キラ…生きて…いた…」
一方、アスランもシンとの対戦で大破したフリーダムの映像を見て、キラが死んでしまったと思っていた。
もう二度と会えないとさえ思っていた大切な人が目の前にいることが嬉しくて、アスランも涙を一滴流した。
「…あの時…もう…駄目だと思っ…た…から…」
アスランは起きたばかりでまだ声も上手く出せないが、キラに必死に自分の思いを伝える。
自分にとって一番大切だと思える人が居なくなってしまった喪失感を抱えながら過ごしてきたのだった。
「僕は生きている…大丈夫だから」
キラはアスランの唇にそっと自分の唇を合わせ、何度も啄むようなキスを送る。
その行為はただ、互いの存在を確かめ合うだけのような純粋なモノだった。
慈しむものでもなく、憎むものでもなく、ただ、そこに存在しているかを確かめ合うだけの行為。
何度目かの口づけをし、キラがアスランから顔を離すと、大好きな翡翠の瞳がじっとこちらを見つめていいた。
目が合うとアスランが本当に嬉しそうに微笑む。
その表情にキラはまたしても目元が熱くなるが、自分も笑い返す。
「キラ」
アスランの呟きともとれる声がキラを呼ぶ。
「何?」
キラはそんな小さな声でもアスランの声が聞けて幸せになる。
「愛している」
アスランは思うように動かない右手に力を入れ、キラの頬に流れる涙を指先でそっと払うように拭いながら、見る者が蕩けそうな程、優しい笑みを浮かべながらキラに伝える。
「僕も…愛しているよ」
キラはアスランの右手に自分の手で当てながら、頷く。
「ずっと…一緒に」
「うん。今度こそ…ずっと一緒にいよう」
アスランは右手に力をいれ、キラの顔を近づけると、そっと口付けを送った。
それはまるで誓いのキス――。
END
コメント
短い、オチ無し、最後微妙…どうしよう(汗)ギャグから抜け出そうと思ったら、ギャグより寒い文章に…。
39話見てなんとなくこんな展開だったらいいな〜とか勝手に妄想。
ネオ(フラガ)の存在完全無視です(滝汗)フラガさん好きですよ!でもアスキラも方がもーっと好きです(by松●引っ越しセンター)
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