ミネルバの訪問者 〜休憩室は危険地帯?〜
キラ達三人がミネルバに到着し、そしてひょんな事からそのままミネルバ滞在になったのはつい先日。
そして以外にも、ミネルバクルーと一番に友好的関係になったのがディアッカだった。
イザークは流石に隊長という身分の為、そう易々と一般兵と仲良くする事はできない(向こうが緊張するし)ので、ディアッカはイザークがミネルバの女艦長タリア・グラディスと話している時は休憩室でのんびりと色々な話題を聞いていた。
同じ緑の軍服を着た一般兵と最近の地球軍との話題を聞いていると、聞き慣れた声と共に見慣れた人物が入ってきた。
「ディアッカ〜このゲーム対戦して!」
現れたのは、紅い服(実は以前ラクス嬢から貰った物らしい)を身に纏った鷲色に紫水晶の瞳の、伝説のパイロットと称されるキラ・ヤマトだった。
伝説と言われても名前は知られていないので、誰もキラがストライクのパイロットだったとい事は知らなかった。もとい、今の姿を見たらどう考えてもパイロット…紅服を着ているとも考えにくい。
何より戦艦の中で堂々とゲームをやろうという発想が、違う意味で伝説かもしれない。
「キラ、…アスランに止めろって言われなかったか?」
ディアッカはキラの両手にあるゲーム機とソフトを見て、ちょっとしたカマをかける。
「何でディアッカ知ってるの!?」
案の定、キラはディアッカのちょっとした引っかけにすぐに引っかかった。
「やっぱりな。キラ、諦めろ。アスランに逆らったら大変なのは知っているだろ?」
ディアッカはククッと笑いを噛み殺しながらキラの頭をクシャクシャと撫でる。
何だか立場が逆な二人だが、ほのぼのとした光景に休憩室にいる隊員達は知らず笑みがこぼれてしまう。
「うぅ〜でも、アスランったら昨日初めてやったくせにどうしてか僕より上手いんだもん!何かすっごい悔しくない?それって!」
「まぁ、それはちょっと同感だな」
内心で大人気無さ過ぎるとディアッカは思ってしまう。
「でしょ?だからディアッカ僕と対戦してv」
「だからといって、アスラン怒らせたら後が大変なのはキラだろう」
「そ…それは…」
過去の事を思い出したのかキラは顔を真っ赤に染めながら口ごもる。
「だったらアスランの部屋に戻れ。どうせ喧嘩して部屋飛び出して来たんだろ?」
「……うん」
「なら早く行って来い。アスランだって心配してるぞ」
ディアッカはやれやれと思いながらも、これで一件落着と一息吐いたがここで思わぬ伏線がいた。
「アスランなんて別に怒っても全然恐くないじゃん。あんな戦う気のない人」
突如、キラとディアッカに棘のある声がかかる。
声の方を振り向くと紅い服を身に纏った、黒い髪に赤い瞳の少年が缶珈琲を片手にキラとディアッカを見ていた。
「誰?」
キラが声の人物を見て首を傾げる。
幼い仕草に周りの者は一瞬ドキッとするが、シンはただキラを睨んでいた。
「まずはそっちが名前を名乗るのが礼儀じゃないんデスカ?」
「あぁ、そうだね。僕はキラ・ヤマト君は?」
キラは睨まれていても全く気にする事なく自己紹介を始める。
「シン・アスカ」
「宜しくねシン」
キラはシンに向かって笑う。が、次からは一気に冷めた目でシンを見る。
シンはキラの豹変に驚きながらも、負けじと睨み返す。
その光景をみたディアッカはシンに対して内心顔に手を当てていた状態になった。
アスランへの中傷はキラの怒りを一番買うものだという事をこの鑑の人間は知らなくて当然だが、現在はFAITHの立場なので表立てアスランの事をどうこう言う人がいるとはディアッカは思っていなかった。
「所で、僕のアスランがさっき思い切り馬鹿にされたのは聞き間違いじゃないよね」
黒いオーラを解放してキラはシンに聞く。
「馬鹿にはしてませんけど、戦う気が無い上にFAITHの称号を貰ってる辺りが謎ですから」
「まぁFAITH云々っていうのは僕は興味無いからいいけど、アスは強いよ。ちゃんと目的が見つかったらきちんと戦うからね」
「そうですね。いつも全く戦ってないですし、戦場にいても俺の方が敵を倒してますから。目的が無いと戦えない軍人というのはまた微妙ですね」
「そうかな」
キラはどこまでものんびりと話すが、ディアッカだけは分かっていた、どんどんとキラがブラックになっていく事に。
内心でこの場を直ぐに逃げ出したかったが、その望みは断たれた。
「ディアッカ…やっちゃっていい?」
何をとは言わなくてもディアッカには分かっていた。
「キラ、ちょっとそれはヤバイぞ。シン・アスカってミネルバのエースパイロットだから戦力的にヤバイだろう?」
ディアッカは当事者でないのに冷や汗をかきながら、キラを宥める。
「あ、そうか。なら戦闘中に間違えて撃っちゃった方が良いかな」
キラの本気とも取れる言葉にシンは今更ながら引いた。
「そういう問題じゃないだろう」
キラの本気にディアッカは焦る。
「だって、アスを馬鹿にされたんだよ!」
キラは、少し涙目になって悔しそうにシンを指さす。
「誰も馬鹿になんてしてないだろ!」
シンも負けじと反論する。
「じゃぁ何?」
「感想言ったまでだろ!俺にはアスランが凄腕のパイロットだって思えないだけ」
「確かにアスランは優柔不断で、ボーっとしてるし、金持ちだから世間に疎いし、何か勝手に突っ走ってドツボにハマル所があるけど、やれば出来る子なの!」
「あんたそれ褒めてるの?」
どうみても、けなしている方が強いキラの訴えを聞いたシンの反応に、周りは心の中で同感だった。ディアッカも例外ではなく。
「褒めてるじゃん!」
「あ〜そう。俺には褒めているように聞こえませんでした」
「耳遠いんじゃないの?16歳なのち痴呆?難聴?」
「誰が痴呆に難聴なんだよ!あんたこそ精神年齢何歳だよ?10歳位?10歳の紅なんて至上最年少なんじゃないの?」
「うっわ、本気でムカついた!」
「俺なんて初めからムカついてる!」
小学生低学年並のレベルの低い口喧嘩を続けていくキラとシンに、それは周りは皆ただ黙ってキラとシンのやりとりを見ていた。
というかもう呆れ半分?
話題もすっかりずれまくりだが、誰も軌道修正をする者も出てこない。
ザフトの中ではエリートと称され憧れの対象でもある紅服二人は、今もくだらないとしか言えない内容の喧嘩…というか、単なる言い合いをしている。
事態が収拾不可能になる前にディアッカは、あまり使いたくない切り札を出すことにした。
人がこんなに居なければ、どうどうと出せるものなのだが、一応現在はキラはザフトの軍人という事になっているので余り嘗められると困るのだが、こうなったらなりふり構ってられないというか、ディアッカ自身がもうやけっぱちである。
「二人とも、そろそろ止めないと『保護者』を呼ぶぞ」
ディアッカの言葉に今まで声をあげていた二人の動きが一気にピタリと止まる。
「呼ばれたくなかったら「「その必要はない」」
ディアッカの声を遮り、室内にいつの間にか入ってきていたのは、保護者ことアスランとレイである。
「キラ」
「シン」
アスランは笑みを浮かべ、レイはいつも通りのポーカーフェイスで名前を呼ぶ。
その瞬間、今まで散々いがみあっていたキラとシンは互いにしがみつく。
「キ〜ラ、遊んだらきちんと片づけるように言ったのにいつまで放置しておくのかな?」
「シン、整備休憩で珈琲を飲むだけに30かかるとは…知らなかったな」
あくまで普通に会話をする二人だが、キラとシンは一気に顔を青ざめた。
それはもう二人の背後から出ている禍々しいオーラを感知した以外理由はない。
「だって…」
「それは」
「「言い訳はいいから、早く言われた事をする!!」」
「「はいっ」」
アスランとレイの二人の雷が落ちて、キラとシンは半分涙目で休憩室から脱兎の如く、言いつけを守りに行く。
そんな二人を見届けたアスランとシンは互いに顔を見合わせて苦笑する。
「うちのキラが迷惑かけたみたいだね」
「いえ、シンの方が何かちょっかい出したんでしょうから」
和やかに会話をする保護者の二人。
「でも、キラを傷つけるのは今後許さないよ」
「シンを虐める限度を超えた場合は黙ってませんから」
「その事にに関しては俺からキラにきちんと言っておくよ」
「私の方からもシンにきちんと分からせます」
表情は非常に友好的な状態だが、会話に思い切り険を含んでいるのは聞き間違いだろうか。
「それでは失礼します」
レイはアスランに挨拶するとそのまま格納庫の方へ向かっていく。
「あぁ、ディアッカ」
レイが出ていくのを見計らってか、アスランがディアッカを呼ぶ。
「何だ?」
ディアッカは内心思い切り焦っていた。何せキラが関わるとアスランは物凄い狭量になる事は三年前から嫌という程味合わされている。
「イザークがお前を捜していたぞ」
イザークが聞いたら憤慨する内容だが、当の本人がいないので別に構わない。
「サンキュー」
アスランは口元だけに笑みを浮かべて出ていった。
アスランが出ていった室内では、休憩室という名のリラックスを求める室内だったが、今では休憩室という名に相応しくない空気で充満されていた。
「あ、まぁ…あいつらには色々と気をつけろよ」
ディアッカは頭を掻きながら、一言置き手紙ならぬ置き言葉を残して休憩室から出ていった。
そしてその日から、キラ・ヤマト、シン・アスカが一緒の時は休憩室から離れるようにという暗黙の掟がクルーの中で作られたとか。
強制終了!
コメント
CPがよくわからない内容に…。ウチのキラはアスラン大好きっ子ですv精神年齢もかなり低いし。
個人的にキラとシンは精神年齢低いです。何か喧嘩仲間?強気なシンが好きです!頑張って威嚇している所とか可愛いんですものv
そして密かにディアッカ好きなので出番沢山出しました!でもいつもヘタレになるので残念。アスランは黒が少し入った方が好きですvそして何気にレイ様、一番難しい。でもレイはシンに対して甘いというのが私の中の勝手なイメージでございます。
そんなこんなで、まだやりたいネタが残っているので頑張ります。