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〜小さな決意〜

 

「ふぇ〜ん、えーん・・・・!!」

夢の中で小さな男の子が泣いている。

ウサギのように目を真っ赤にして、遠くの方から逃げるようにして走ってきた。

その男の子は目の前に目的の人物を見つけたようで足をもつれさせながらも必死に走り、その人物にしがみ付く。

「ふぇ・・・ひっく・・・・そうにぃ〜・・・・・」

「どうしたんだい、しんいちろう?」

「りょーにぃが・・・いじめる〜・・・ひっく・・・・・」

男の子はその人物のズボンをがっしりと掴んで涙でぐしゃぐしゃになった顔を僕のほうへ向けた。

「何をされたんだい?お兄ちゃんにおしえてくれるかな?」

その人物は泣いている男の子の目元をポケットから取り出したハンカチで拭って優しく頭を撫でながら落ち着かせるように穏やかな声で問い掛けた

「ぐすっ・・・・あのね・・・つみきでね、オレがつくったのこわすのぉ〜・・・ひっく・・・」

「・・・だいじょうぶだよ、お兄ちゃんがちゃんと怒ってあげるからね!・・・・・・・りょうや兄さん、またしんいちろうをいじめて・・・・・・・・!!!」

この場面を僕は知っている・・・これは僕が小学生の時、綾野兄さんは小学校の高学年でいつも真一朗をからかってはそれを遊びにしていた。

その度に真一朗は僕に泣きついてきて、それを聞いた僕はいつも綾野兄さんに説教をしていたんだ。

「・・・・・僕が兄さんをおこってきたからもうだいじょうぶだよ・・・・」

「うぇっ・・・・・・ほんとぉ?」

まだ泣き止まない真一朗の頭を撫でて安心させるように笑顔を浮かべた。

「ほんとうだよ・・・・だから僕といっしょに遊ぼうか?」

僕がそう提案すると真一朗は泣き顔をぱーっと明るい笑顔にかえて

「うん!!」

満面の笑顔で頷いてくれる。

真一朗には泣き顔よりも、こんな笑顔が似合う。

今度は兄さんに泣かされないように真一朗のナイトになった気分でぎゅっと小さな手を握り積み木がある所まで二人で歩いていく。

二人で積み木を重ねて遊んでるとしばらくして綾野兄さんが入ってきた。

「さっきはごめんね、僕も遊んでいい?」

しゅんってした顔で真一朗に聞く。

「うー・・・こんかいだけだからな!」

真一朗は綾野兄さんに積み木を渡して少しだけ照れくさそうにそう言った。

一つ一つ形の違う積み木は重ねるごとに別の形を作っていって・・・

「へへ・・・マンションの完成!!」

綾野兄さんが嬉しそうに最後の積み木を乗せた。

「うわぁ〜すげ〜〜・・・!!」

「良かったね、しんいちろう。」

「うん!おおきくなったらみんなでほんとのつくろうな!!」

「そうだね、みんなでマンション作っていっしょにくらそう・・・ゆびきり!」

綾野兄さんが小指を出すと、真一朗も小指を出して・・・

つられるように僕も指をだした・・・・

「ゆ〜びきりげんまん・・・・・・」

三人で指きりをしながら遠い将来の約束を交わす。

今は真一朗の自宅と探偵事務所があるマンション・・・僕達三人で立てた僕達のお城・・・・・・・・こんな約束忘れていた。

でも僕達はちゃんと幼少期に交わした約束を知らずのうちに叶えていたんだ。

残念ながらそこに兄弟で住むという約束は叶えられてはいないけど。

 

『そ・・・し・・・・・・そう・・・にぃ・・・・・・・』

 

昔の夢を見ている僕の耳に誰かの呼ぶ声が響く・・・・

だんだんと目の前の光景がぼやけてきて・・・やがてその声は僕を現実へと引き戻した。

「おっ・・・やっと起きたか・・・・・・」

うっすら目を開けると目の前には真っ青な瞳

「しん・・・・い・・・ろ・・・?」

「ビックリしたぜ、呼んでんのになかなか起きねーからさ!」

真一朗は僕の目の前に書類が入っていると思われる封筒を置いた・・・

どうやら僕は仕事中にうたた寝をしていたようだ。

「珍しいよな、奏司が居眠りなんてさ・・・寝顔なんて見んの小学校ぶりか?」

からかうような口調でまだ眠気眼な僕に笑いかけてきた・・・・その笑顔は夢の中で見た小さな真一朗が向けていたものと寸分かわらない。

「真一朗・・・・」

「わっ!ちょっ・・・・奏司?!」

真一朗の腕を引いて自分の方へと引き寄せる・・・

そのまま抱え込むようにして抱きしめた。

「何してんだ!離せっって・・・・////」

「・・・守るから・・・・・・・・」

「はぁ?・・・寝ぼけてんのか??」

真一朗から呆れたような声が聞こえてきた。

僕はそのまま何も答えずただ真一朗を抱きしめた。

 

 

守る・・・その笑顔が涙で濡れないように・・・

真一朗のナイトは誰にも譲らない。

 

 

 

 

 

 

あきら様のコメント

 

3万ヒット記念第一弾マイナーカプ投票第一位の奏司×真一朗です。最近プッシュなカプだけあって案外すんなりと書くことが出来ましたvvもう自分設定つくりまくりですよね・・・でもこの兄弟書くのがすごく楽しいんですよね〜、まだまだ書いていきたいなと思うカプです♪
これから続々と企画のフリーSSを書いていきますので他のものもご覧下さいねvv
もちろんフリーなのでお持ち帰りは自由ですvv(居るのか?/汗) 

 

 

 

コメント

あきらさんの奏真です!すっごい萌え!!〜真一朗が可愛すぎで…鼻血出そう。
毎回の事ながらあきらさんの書かれるお話はどれもこれも可愛らしくて堪りませんvしかもフリーだったのでこれはもう貰うしかないと、即行でお持ち帰り宣言して帰ってきましたv奏司さんはやっぱり真一朗のナイトですよね。影でいっつも真一朗を支えている人物だと思っているので…一生真一朗を守ってください!
私自身このカップリング好きなのですが中々やってる片見かけないので今回本当に読めて良かったですv
あきらさん、本当に素敵なお話ありがとうございました。