紅葉狩り
秋も深まり山は彩り豊かに燃ゆる時…
真一朗に連れられて、空と七海と祭と直は、日々の勉学と探偵業務の息抜きを兼ねて都心よりワゴン車に揺られて1時間以上かけて、紅葉が豊かに映えている山へとやってきた。
「ここはな。俺達兄弟が買った山だから、思う存分遊んでいいぞ。紅葉を眺めるのも良し、中の運動公園で遊ぶのも良し!!」
真一朗は着くなりそうみんなに言った。
「すごいなぁ…兄ちゃん。」
空はただ感心しながらそう呟いた。直は着くなり少し車に酔ったのかすぐに車から下りた。
「大丈夫?ナオちゃん。」
祭は直の次に下りて直を介抱している。七海もそれに次いで下り、直に特製の薬を飲ませている。真一朗と空も下り、直のそばに行く。
「だらしがないぞ。直。まだ特訓が足りないぞ。」
そう真一朗は少し心配もしているが、指をビシッ!と直を指しながら言った。
「水都先生の運転が荒いのです。」
直は七海から受け取った薬を飲み落ち着いてからそう、真一朗に向かって毒づいた。
「藤守。大丈夫?」
空は大きめの瞳を直に向けながら、小首をかしげてそう直に聞いた。
「…!?大丈夫だよ。」
内心直は空のことを『可愛い』と、不覚に思いながらもそう冷静を装って答えた。しばらく5人は駐車場内にある屋根つきのベンチに座って直が落ち着くまで待った…
「じゃあ、直も落ち着いた事だし…各自自由に行動!!そして、昼の1時に先程配った地図に書いてある運動公園内の中心にある噴水場に集合!!」
そう真一朗が指揮を取ると5人は一斉に『了解!!』と敬礼した。
空は半ば強引に真一朗に連れられて運動公園に、残った三人はゆっくりと紅葉狩りを楽しむ事にした。祭は一眼レフカメラを首から提げ色々風景の写真を撮る。
「綺麗ですね。」
直は七海にそう話しかけた。七海は景色を楽しみながら…
「そうですね。ここでお昼を食べるのは初めてですよ。かなり美味しくなりそうです。」
と答えた。
一方運動公園では…
「なんかここ、本格的なトレーニング場だね。」
いろんな木製の運動器具や遊戯器具が並んでいる運動公園を見渡しながらそう、空は感想を述べた。
周りは…ロッククライミングのトレーニング用具のような凸凹と岩が不規則に連なる90°急斜面というより直角のもの…初心者向けや上級者向けのアスレチック用具も混ざりそれは、奥まで連なっていた。
「ここのどれを使用してもいいから、ゴールまでどちらが先に着くか競争しようぜ。罰ゲームはなしでな。」
真一朗が子供みたいにそう述べた。空はそれに従った…それから二人の競争は始まった…しかし…晴れ渡るほど澄み切っていた空は突如曇りだし、暗雲を広げ…やがて、勢いよく雨は地面を叩きつけるように降り出した…
七海と直と祭は山の中にある別荘に入った。鍵は前もって真一朗から受け取っていたので中に入ることができた。
一方…競争している真一朗と空は、別荘まで時間がかかるのでコース横の自然に出来た洞窟の中に入った。
「まいったぜ…今日の天気は晴れなのにな…気象予報士訴えるぞ。」
真一朗はしょっているリュックを下ろし中から乾いたタオルを取り出して拭きながら、冗談交じりにそう言った。(うんちく:リュックは完全防水加工を施してるので中身は濡れないのである)空も中からタオルを取り出して濡れた体を拭いている。
『ばかもの…山の天気は変わりやすいのだよ。それを知らないのか?』
心の中で真一朗のもう一つの冷徹の人格の水都はそう真一朗に、教えるように言った。
『うるせぇ…わかってるよ。』
真一朗はそう答えた。
『空。大丈夫か?まぁ、そんなことで風邪引くようじゃ修行が足りないけどな…。』
夜は空を心配はするが小ばかにするように鼻で笑いながらそう言った。
『大丈夫だよ。夜。それに、俺をバカにするなー!?』
そう空は心の中で夜に向かって叫んだ。
『まぁ、叫んでも様になってないぜ。ま、そこも可愛いけどな。』
夜は空を品評するような視線で見つめてそう呟いた。空は子供のようにふくれてそっぽを向いた。
「どうしたんだ?空。」
真一朗が表情をコロコロ変える空を不思議に思いながらそう声をかけた。
「アッ…!?ごめん、兄ちゃん。なんでもないよ。」
その声で現実に帰った空はそう真一朗に謝った。
「それにしても…一向に止む気配はないな。すまない空。」
真一朗はまだ激しさが軽減しない雨を眺めながらそう、謝る。
「大丈夫だよ。兄ちゃん。山の天気は変わりやすいと実感できたもん。」
空は慰めるようにそう答えた。しばらく二人は何も言わずにただジッと激しく降り続く雨を見つめた…
それから1時間過ぎた所で雨は止み、再び空は暗雲を取り除き、淡い光から、温かい光へと変化してまた、雨の雫を零す紅葉が広がる山に光を注いだ。その風景はまるで、幻想の和の世界にいるような気分を5人にさせたのである。真一朗と空は競争を中断して、3人がいる別荘に行く。
「大丈夫でしたか?二人とも。」
七海が真一朗と空が中に入ってきたのと同時にそう声をかけた。
「大丈夫だったよ。七海ちゃん。」
空は笑顔でそう答えた。真一朗は七海の頭に手を置き…
「ごめんな。七海。折角の紅葉狩りが台無しになって…。」
と、答えた。
「心配しないでね。真一朗。僕は久しぶりに楽しむ事ができたから。」
七海の口調から丁寧語は消え自然の彼を見せながら、七海はそう答えた。
「羽柴?大丈夫だった?」
直が空の元に行きそう聞いた。
「大丈夫だったよ。なんか、洞窟入っての雨宿りを経験したんだぜ。」
空は初体験を嬉々と少年のようにワクワクしながらそう、直に聞かせた。直はそれを子供の話を聞く母親のように優しい表情で聞いていた。
祭はそんな4人の姿を…こっそり写真に収めたのは言うまでもなかったのである…
終わりvv
桔梗菖蒲様のコメント
久々なフリー小説です…
秋と言う事で…私自身紅葉狩りしたいなぁ…と思いこの話が浮かびました…
もうすぐ『9000打』ということと、久々なキリリク復活というのを兼ねて…書いてみました。
お持ち帰りは自由です。サイト持ってらっしゃる方でこの話をサイトへUPするのも自由です。
報告も任意ですよ。しかし、サイトUPの際は『桔梗菖蒲』が書いたと著作表示をお願いします。
報告していただければかなり嬉しく思います。URLを記入していただければ遊びに行かさせて下さいませ。
コメント
桔梗さんのサイトでいただいてきました〜vフリー小説!!もう感激ですv
ほのぼのの5人…本来好きしょ!!ってこういう話だったなぁと改めて思いました(苦笑)私としては真一朗と水都も精神世界で対話してる所とかかなり好きです!萌えです!!やっぱりお互いが会話しているという事は空と夜みたいな行為が行われるのかしら(興味津々!)私としては水×真希望です!真一朗は受ですし
話がズレてしまったので軌道修正を(汗)
桔梗さん本当に素敵なお話ありがとうございます♪報告がギリギリだったのでもう駄目かと密かに思っていたので、OKいただけて嬉しかったです!!