AIで普通の動画を3D動画に変換する




〜HANABI〜

 

 

  

「ねぇねぇ!今日さ、近くで夏祭りがあるんだって!」

 

 

突然話しかけられた手塚は、読んでいた本から目を離し、リョーマの方をみた。

ここは手塚の私室。リョーマは今日の部活終了後、すぐさま手塚の家に行きたいと言い出してきた。

可愛いく、しかも思いっきり甘えた声で言われ、さすがの手塚もNOとはいえなかったのだ。

というかリョーマの事なのでたとえ断っても来ると思うが。

突然の訪問に母親らも驚くだろうと思われたのだが、実際は全く動じず、快くリョーマを中に通したのだ。

母、彩菜はリョーマが来たことによっていつも以上に料理を振る舞い、まるで我が子のようにもてなした。

リョーマも大好きな和食が食べれて、だいぶ満足をしていた……というところで話しは元に戻る。

 

 

「夏祭りか…?」

 

「うん!さっき彩菜さんから聞いたんだけど、毎年そこの神社でやってて、最後には花火も上がるんだって!!」

 

 

なんとも楽しそうに話すリョーマ。

リョーマが言っている夏祭りは毎年恒例で、近くの神社で開かれ最後には、その祭りの締めくくりとして、花火が上がるという盛大なものだ。

手塚は毎年経験している行事なのであまり気分が盛り上がらないが、リョーマにとっては初めての日本での祭りだ。

だからかも知れないあんなに楽しそうに話すのは。

 

 

「だから…さ、無理には言わないけど…部長がいいっていってくれるならさ……夏祭り…一緒に行かない?」

 

 

少し下を俯きながら、ほんのり頬を赤く染めながら、そう言う。

 

 

「…俺と、か?」

 

返事をする代わりにこくん、と頷く。

 

 

 

断られたらどうしよう……

 

 

 

リョーマの頭の中でぐるぐると回り続けていること。もし、手塚が嫌といったらどうしよう…行きたくないといわれたら。

考えたくないことだがこうゆう時に限って、変な考えばかりが浮かんでくる。脳みそとは嫌なものだ。

 

しかし、そんなリョーマの考えとは裏腹に手塚は優しくこう言った。

 

 

「お前がそういうなら、一緒に行くか…?」

 

「え…?いいの…?」

 

「ああ。嫌か?」

 

「ううん!!ホントに!?一緒にいってくれるの!?」

 

 

リョーマは俯いてた顔を上げ、手塚に何回も確認する。

 

 

「ホント?ホントにホント!?ウソじゃない!?」

 

「俺が嘘つくとでも思ってるのか?」

 

「じゃホントなんだ!やった!!部長大好きっ!!」

 

 

がばっ!!

 

 

「な……っ!?リョーマっ!?」

 

 

いきなり抱きついてきたリョーマに手塚は驚くが、リョーマ本人はそんなことはどうでもいいらしく、手塚にぎゅーっと強く抱きついたまま離れない。よほど嬉しかったのだろう。

その顔には誰もが見惚れるほどの笑顔を浮かべていたのだから。

 

 

「リョーマ、分かったから離れてくれないか?」

 

「やだvv」

 

 

ご丁寧にハートマークまでつけて否定してくれた。天使な小悪魔とはこうゆうことをいうのだろうか。

手塚はしょうがないな、と溜め息をつき、リョーマを抱きしめ返した。

 

 

と、そのとき。

 

 

「あらあら、仲がいいわねvv」

 

「!か…母さん…;;」

 

「彩菜さん!!」

 

 

そこに現れたのは彩菜だった。頬に手を当て、にっこりと笑っている。手には服?らしき物を持っていた。

手塚はしまった!!と思ったが、さすが表には出さない。その代わり心の中はたじたじだった。

一方リョーマは、抱きついていた手塚から離れ彩菜の元へいった。

 

 

「もしかして、私お邪魔しちゃったかしら?」

 

「そんなことないよ!ね!部長?」

 

 

手塚の方を向き、同意を求める。彩菜の視線が痛い中、手塚は少々目を逸らしながら、

 

 

[ああ…そうだな…」

 

 

これが手塚の精一杯の返事だった。

 

 

「ならよかったわ。リョーマ君たちの邪魔しちゃいけないものね」

 

「別に大丈夫なのに、それで彩菜さん何か用事があったの?」

 

彩菜はリョーマの言葉に自分の用事を思い出し、手に持っていた服…浴衣をリョーマに見せた。

 

「今日国光と一緒に夏祭りに行くんでしょ?だったらこれ、着ていかない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねー部長?似合うー?」

 

 

手塚の前でくるんと一回りする。リョーマがきているのは男物の浴衣ではなく、女物の浴衣だった。

なんでも手塚の昔の浴衣がない代わりに彩菜が少女時代に着ていたものを着せたという。

昔といっても、深い紺色の浴衣に、赤い帯。なんとも今風な風流な感じの代物だ。

時折浴衣の裾から見える、白い肌、細い脚がなんともいえない色気をだしている。

 

 

「リョーマ、ちゃんと前向いて歩かないと転ぶぞ。」

 

「大丈夫!だって転んだら部長が助けてくれるでショ?」

 

「もし、助けなかったらどうするんだ?」

 

「ハクジョーもの」

 

「お前な……」

 

「そんなことより見て見てっ!!あれっ」

 

そういってリョーマが指差したのは屋台だった。色とりどりの光の中にいくつもの屋台が出店していた。

金魚すくい、ヨーヨーつり、わたあめ…どれも屋台の定番ものだ。

 

 

「わーすごい!屋台がたくさんあるー!」

 

 

目を輝かせながら周りをきょろきょり見渡す。その度に後ろの帯についている鈴がちりん、と鳴り響く。

いつもの生意気なリョーマを微量たりとも感じられない。

あのレギュラー陣がこんなリョーマの姿を見たら驚くに違いない。

 

そんな自分しか見れない、知らない事を考えると嬉しくてたまらなくなる。この可愛くも、生意気な子の恋人は自分だと言うことに少なからず優越感を抱いてしまう。

 

 

「部長ー?早く来てよー!」

 

 

手塚の耳にリョーマのまだ甲高い声が入った。リョーマは既に手塚から1mぐらい離れているところで大きく手を振っている。手塚はすぐにリョーマの元へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいしー!日本のお祭りっておいしいものたくさんあるんだねー!!」

 

人込みを避け、人気のない神社の裏を歩きながらリョーマがいった。

 

「リョーマ……食べ過ぎだ…」

 

「ふぇ?」

 

 

はぁと溜め息をつく手塚にリョーマはりんご飴を頬張りながら首を傾げる。

リョーマの右手にはかき氷、そして左手にはりんご飴。ここまでは普通だと思うが、この前にもたこ焼き、あんずあめ、やきそばなどなどいろんなものを食べていたのだ。手塚が溜め息をつくのも無理はない。

 

 

「だっておいしいんだもん!」

 

「太るぞ…」

 

「毎日練習してるから太んないもん!」

 

 

あーいえばこーゆう。手塚は呆れてものもいえないという風にもう一度溜め息をついた。と、リョーマの口元にりんご飴のかけらがついているのを発見した。リョーマは気づいていないらしい。

 

 

「リョーマ、口についてるぞ」

 

「え?どこどこ?とって?」

 

「ほらここに…」

 

 

 

手塚がリョーマの口に手を伸ばしたが、何を思ったのか手を引っ込めてしまった。リョーマは?と目を向ける。

手塚は暫く考えた。そして、

 

 

ぺろっ

 

 

「!!?」

 

 

手の代わりに口元で感じた水音と、熱い舌。

びっくりして身を引くが、その隙に口元から唇に移動し、奪われていた。

 

「んっ…ふっ…」

 

 

抵抗するにも両手がふさがっていてできない。それをいいことに手塚は角度を変え、何度も何度も口付けをする。

腰と後頭部に手を回し、強く抱きしめる。リョーマも段々気持ちよくなり、自分からも求め始める。

リョーマの手から持っていたかき氷が地面に落ち、かかっていたシロップが氷と共に地面に溶け、染み込んでいく。

 

何回も舌を吸われ、痛みさえ感じる。脚には力が入りなくなり、膝が震える。

 

 

「…っぁ…んっぅ…も、ダメ…っ」

 

 

リョーマのこの訴えに手塚はゆっくりと唇を放した。力が入らないリョーマを抱きかかえる。

肩で息をしているリョーマの髪の毛を優しく梳かしてやる。リョーマの頬は赤くなり、瞳は潤み、唇は程よく潤っていて、全身で誘っているようにみえた。

 

 

「甘いな…お前の口の中…」

 

「あ、たり前じゃん…っ、飴…食べてたんだからっ」

 

「そうだったな…でも、悪くはないな…」

 

「部長…甘いの…苦手じゃなかったっけ?」

 

「このぐらいはまだ平気だ…それに」

 

 

手塚はリョーマの耳元に唇を寄せ囁いた。その手塚から発せられた言葉にリョーマはかぁぁっと赤面する。

そして自分を抱きかかえていた手塚を突き飛ばし大声で叫んだ。

 

「ば、ばっかじゃないのっ!?///あんたっ、何考えてんのっ!?/// 」

 

「何って…本当のことだろう?」

 

「だ、だからって…っ!あんな…っ!!」

 

 

さっきまで白かった首元まで真っ赤に染めて怒鳴る。

 

 

 

 

 

 

――――――いつも、もっと甘いの食べてるからな……

 

 

 

 

 

 

思い出すだけで、恥ずかしくなるセリフ。

 

(あーもうっ!!なんであんな恥ずかしいコトいうかなっ!!人の気も知らないでッ!)

 

心の中で悪態をつきながらずかずかと一人で歩いていく。後ろから手塚も付いてくる。

 

 

「リョーマ、怒ってるのか?」

 

「別に怒ってない!!」

 

 

(思いっきり怒ってるだろ…)

 

 

「リョーマ」

 

「怒ってないよ!…ただ…」

 

「ただ…?なんだ…?」

 

「ただ、恥ずかしかったの!それだけ!!だからもうあんなコト言わないでよっ!!」

 

 

ぷいっとそっぽを向きながらいう。手塚はその姿におかしくなり、つい笑ってしまった。

 

 

「ちょ…っ!!なんでわらう…っ」

 

 

 

ドンッ!!

 

 

 

「え?なにいまの音…あ…」

 

 

大きな爆発音がしたと思ったら、雲がかかった夜空に花火が舞った。祭りもそろそろ終わりに入った事を認識させる。

リョーマと手塚は同時に顔を上げ、夜空を見上げる。綺麗な花火が暗い空を明るく照らす。その美しさにリョーマは見惚れていた。

 

 

「きれー…」

 

「そうだな…」

 

 

さっきまでの事が嘘のように二人一緒に感嘆の声をあげる。

 

 

「リョーマ」

 

「ん?なに…っん」

 

 

リョーマが自分の方に向いた瞬間、半分強引にキスをした。さっきとは違く、触れるだけの、掠る程度のものだった。

 

 

「これでさっきの許してくれるか…?」

 

「……今日だけだからね…」

 

 

そういってリョーマもキスを返した。

 

 

その語結局、花火などまともに見れず、他の事に夢中だったとか、そうでないとか。

 

本当の事は神…と二人のみぞ知る。

 

 

 

 

 

 

―end―




コメント
綾里 雛様のサイトでフリーSSだったのを貰ってきました〜夏祭り!しかも浴衣!!そしてラブラブvまさに私の萌え所を見透かしているような作品です!
読んでいてずっとニヤけてました(笑)リョーマの可愛さにやられました!綾菜さんもいい味出していてイイです〜v
本当に毎回可愛らしい話ばかりで羨ましいです!
綾里様ありがとうございますv