08.君の名を呼んで
「…ん…んっ……」
眠い眼を擦りながらロイはぼんやりと目を開ける。
目を開くと、見慣れた天井が目に入る。
そして、隣を見るとそこには愛しい恋人であるエドワードが体を丸めて眠っていた。
ロイは未だ夢の中にいるエドワードを見つめる。
昨日の情事の際に付けた無数のキスマークがエドワードの少し日に焼けた体にクッキリと残っている。
長い金糸の髪はシーツの海に散らばり、思わず見とれてしまう程綺麗だった。
ロイは体を横向けにすると、目の前にあるエドワードの顔にかかっている髪の毛を指先でそっと取り除く。
「少し無理をさせてしまったかな」
いつもなら、自分の方がエドワードに起こされるのだが今日は珍しく早く起きてしまっ事にロイは苦笑する。
昨日は久々にいつも以上に激しい行為になってしまったので、エドワードもどうやらいつもより深い眠りについているようだった。
「エディ」
ロイはエドワードの髪を手櫛で梳きながらエドワードを呼ぶ。
「ん…むぅ……」
まだ眠りの世界にいるようでスースーと寝息を立てたまま一向に目をあける気配が無い。
ロイはエドワードの体を抱き寄せると、耳元で「エディ、起きて」甘くと囁く。
「うぅん……ろ…い……」
譫言のように名前を呼ばれ、夢の中に自分が出てきている事実に思わず嬉しさに頬を緩める。と、同時に夢などではなく今すぐ目の前にいる自分を金の瞳で見つめて貰いたいと思ってしまう。
「エディ…君の瞳が見たい」
優しく髪を梳きながらロイはエドワードの覚醒を促す。
だが、エドワードは今も寝息を立てたまま起きあがる気配は一向に無い。
それ所かエドワードは、もぞもぞと体を動かすとロイの胸元へと身を寄せると、胸に頬を擦りつける。温もりを確かめるような行為にロイは一瞬だけ呆気に取られるが、滅多に無い恋人の甘えに嬉しくなりエドワードの背中に腕を回すとエドワードの体を包み込むように抱きしめる。
「…ん…ぅ…」
抱きしめたとほぼ同時にエドワードが小さく身じろきながら、ゆっくりと瞼を開ける。
半分眠りの世界にいるのか焦点の合わない金の眼がだんだんと意識を取り戻しのそ瞳に強い光が灯るのをロイはじっと見つめていた。
「…ロイ…?」
寝起きの掠れた声でエドワードは間近にある恋人の顔を不思議そうに見つめる。
「おはよう。エディ」
ロイはにっこりと笑いながらエドワードに挨拶を送る。
「ん…おはよ…ロイ」
エドワードは、ロイに微笑まれ頬を少し赤く染めながら、だけど嬉しそうに笑みを浮かべ挨拶を返す。
そして互いに自然と唇を合わせてもう一度「おはよう」と朝の挨拶を繰り返す。
朝起きて目の前には大切な人の姿がある嬉しさ。
手を伸ばせば直ぐに温もりを感じられる安らぎ。
君の名前を呼んで迎える朝はこんなにも幸せな気持ちにしてくれる。
END
コメント
何だろう…甘いのかそうでないのか微妙な感じ。一般的にゲロ甘と呼ばれるものが私の中で甘い分類にはいるみたいです(第三者の談)
そして本当に中途半端な終わり方になってしまった(滝汗)
次はもう少し長い話を頑張ります。