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じゃんけん



「たまには違った趣向で行くか」

水都がボソリと言う。

「…違う趣向?」

耳に届いたその声に俺はおそるおそる訪ねる。

多分俺にとっては良い事ではないと思うが。

 

ちなみに今現在、俺は水都のマンションの寝室のベットの上に押し倒されながら…。

今日も学校で散々犯されたのに、まだ水都は俺を抱こうとする。

でも俺には逆らう事はできない。もし逆らったりすれば七海ちゃんや青や皆にも被害が及ぶから。俺がおとなしく水都のペットになっていれば相沢は気に入らないみたいだけど、誰もこれ以上傷つく姿は見なくてすむ。

だけど本当の理由は…水都を、…兄ちゃんがこうなった原因を作ったのは俺だから。

たとえ操られていたとはいえ、兄ちゃんを刺したのは俺…。

俺のせいで兄ちゃんはこうなってしまったんだ。

だから俺は水都に逆らえない。どんな酷い事をされても俺はそれを受け入れなければいけない。

 

「お前もいつもただ抱かれるだけではつまらないだろう?」

水都は俺の顔を持ち上げるとニヤリと口の端をつり上げる。

「…別につまらなくは無いけど」

俺は正直な感想を水都に告げる。

と、いうかこれ以上もう変な事は一切やめてもらいたい!

「私がつまらん」

「………」

さいですか。

「一応私なりに提案があるのだか?」

楽しそうにと笑う水都に俺は背筋がゾクリと悪寒が走った。

というか水都が楽しそうに笑うなんてどんな恐ろしい事が待ち受けているのか、考えただけでも恐ろしい。

「お前ゲーム好きだろう?」

唐突に水都は聞いてきた。

「…嫌いじゃ無いけど」

ゲームはどっちかというと好きな方だったりする。けど、何でこんな事聞くんだ?

「どうして?と思っているようだな」

顔に出ていると水都は小さく笑いながら俺の頬を撫でる。

「私は優しいご主人様だからな。ペットを楽しませるのも主人

の役目だ」

水都は楽しそうに語る。勿論、俺は多分…楽しくはないと思う。

そもそもセックス事態楽しめねーってのに(涙)しかも何回もバコバコ犯るしで腰は毎日ダルイ。とてもじゃないがセックスを楽しいとは思わない。

しかも自分で優しいとか言ってる辺りが大いに間違ってる!優しい人間がペットが泣き叫ぶ顔を喜々として見るか?普通!?

「取りあえず今日はコレでいくか」

俺が色々と考えている間に、水都は1人どんどんと話を進めている…。

「ちょっと待ってろ」

そう言いながら俺の上から水都は離れると、サイドテーブルの引き出しから大きな卵型のカプセルを取り出し俺に見せる。

「これって…」

俺は起きあがり、水都の手の中に物を見る。

水都の持っているカプセルはゲームセンターとかでぬいぐるみやオモチャが入れられているカプセルだ。何が当たるかわからないのだけど、大体は黄色の蜂蜜好きなクマ関係のモノが多い。

でも水都の持っているカプセルは少しそれより大きい気がする。しかも色が黒と紫…もの凄〜く妖しい感じがするのは気のせいだろうか?

じぃっとカプセルを見つめながら考えていると水都がおかしそうに笑う。

「本当に空は可愛いな。…そうだな、たまにはお前に選ばせてやろう」

俺の髪をクシャクシャと混ぜながら水都は珍しい事を言った。

「…選ぶ?」

水都の台詞に俺は一瞬意味が理解できなかった。というか水都の台詞が信じられない。今まで一度だって俺が選らんだりする事は一切無かったから。

「そうだ。選択権をやる」

水都の台詞に俺は少し嬉しくなった。自分の意志で選べるのは本当に久しぶりの事だから。

だけど嬉しい反面問題が一つあったりする。選択ということは…黒か紫のどっちかという事だよな。

俺は小さくため息をつく。

結局犯る事には変わりないのだ。

「ちなみに黒い方は何も使わ無いしかも1回だけで止めてやる。紫の方には薬が入ってる。勿論、私が満足するまで相手をしてもらう。満足させるのだから道具を使うのも有だ。さて、お前はどっちがいい?」

「は…?」

水都の台詞に俺はポカン…とまさにそう表現するのがピッタリの表情で水都を見る。

何だかとっても聞き捨てならない台詞を言った気が…

「そうか。どちらでもいいのなら紫でいいか…」

「ちょっと待った!黒っ、黒い方が良いです!」

水都の台詞に慌てて俺は黒を主張する。

(どう考えたって黒だろ。しかも1回で終わらせるなんて事、滅多に無いし!)

「残念だがお前の発言権は終わりだ。私が聞いたとき「は?」という答えと言うことはどちらでも可という事だろう?黒とも紫とも言わない。なら私が決めるしかない」

何という理不尽な発言…。

だが水都らしいと思わず納得してしまう俺…。何て思ってる場合じゃなかった。

「水都っ、お願い!!もう1回チャンス俺にちょうだいっ!!」

水都のシャツをギュッと握りながら頼み込む。とにかく今は何としても紫だけは勘弁してもらいたい。

「みなとぉ…」

「…仕方ないな」

半泣き状態の俺の額に水都は苦笑を浮かべる。

「但し、私に勝てたら選択権をお前にやろう」

ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべながら水都は言った。

「水都に勝つ…」

取りあえず選択権を貰えるようにしてもらったのは良かった。…が、水都に勝つ?頭は勿論論外。悔しいけど頭の出来は水都の方が上だ。体力は…既に毎日嫌と言うほど思い知らされてるし…何かないかな。

俺が水都に勝てるもの………って無いかも。でも何かしら考えないと。ちょっと発送を変えてみるか。水都に勝つんじゃなく勝てる確率のあるものなら何かあるかも!

俺が水都に勝てる確率のあるものは……そうだ!

「水都っ、ジャンケンしよ!!」

ジャンケンなら運勝負だし、確率は50%。今の俺にとっては一番勝てる可能性のあるものだ!

「ジャンケン勝負か。いいだろう」

水都は頷くと手を軽く上に上げる。俺も同じように握った手を上に上げて

「じゃ〜んけ〜ん…」

(頼む!神様勝たせてくれ!!)

今まで全く信じて無かった神様に俺は必死で願う。

「…ポン」

俺はチョキを出すと、水都はグーで………。

「負けた…」

俺は本気で泣きたくなったと同時に神様を恨む。

ガックリと項垂れる俺の頭を水都は軽く小突いた。

「水都?」

「勝負は3回だろう?何ボ〜っとしてるんだお前は」

「へ…3回?」

水都の台詞に俺は驚く。

「ジャンケンは3回勝負だと、昔誰かが言っていんだ」

水都の台詞に俺は何か引っかかったが、それよりも残りの勝負の方が増えた事の嬉しさで気分が一気に盛り上がった。

まだ勝てる確率があるのかもしれないのだから。

 

 

 

「じゃ〜んけ〜ん…ポン!」

パーの俺。そしてチョキの水都。

結果俺の3連敗でじゃんけん勝負は幕を引いた。

俺は1勝すら出来なかったのだ。

そして俺は朝方まで水都の思う存分抱かれたのだった…。

 

余談だが翌日からは、水都の部屋に「ガチャポン」が置かれていた。

何でも中に紙が入っていて、その中のモノを使って俺を抱くのだと水都は楽しそうに語ったのだった。

だけどそれはまた別の回の話…。

ちなみに俺がガチャポン恐怖症になったのは言うまでもない。